断食ダイエットは本当に効果的?99研究・6,582人を分析した研究

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
最近では、1日の食事時間を8時間以内にする「16時間断食」などが、ダイエット方法として広く知られています。
では、本当に断食を取り入れると、普通に食事量を減らすよりも痩せやすくなるのでしょうか?
2025年に掲載された研究では、99件のランダム化比較試験、合計6,582人を対象として、さまざまな間欠的断食と通常のカロリー制限による体重減少などが比較されました。
今回はこの研究をもとに、断食によるダイエットに効果について詳しく解説していきます!
ぜひ最後まで読んでみてください!
■そもそも「間欠的断食」とは?
間欠的断食とは、
「食べる時間」と「食べない時間」を意図的につくる食事方法です。
今回の研究では、主に3つの方法が調べられています。
①時間制限食(TRE)
1日の中で食事をする時間帯を制限する方法です。
代表的なのが「16:8」。
16時間は食べず、残りの8時間の中で食事をします。
いわゆる「16時間断食」はこれに当たります。
②隔日断食(ADF)
1日おきに断食、または大きく摂取エネルギーを制限する方法です。
③終日断食(WDF)
1週間のうち特定の日を断食日にする方法です。
代表的なのが「5:2ダイエット」で、5日間は通常通り食べ、2日間を断食日とします。
研究ではこれらに加えて、毎日の摂取エネルギーを減らす継続的エネルギー制限(CER)も比較されています。
■研究内容
今回の研究は、これまで行われたランダム化比較試験をまとめたシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析です。
対象となったのは、99件のランダム化比較試験・合計6,582人です。
参加者の年齢中央値は45歳、BMI中央値は31.3で、66%が女性でした。
また、健康な成人だけではなく、さまざまな健康状態の成人が含まれています。
研究では主に、
体重、BMI、体脂肪、ウエスト、血糖、インスリン、血圧、コレステロール、中性脂肪などが評価されました。
■結論:断食は圧倒的に痩せるわけではない
まず、この研究で重要なのがここです。
間欠的断食も通常のカロリー制限も、自由に食べる食事と比較すると体重が減少しました。
しかし、
断食が圧倒的に痩せるという結果ではありません。
自由に食べる食事と比較した体重減少は、
〇隔日断食(ADF):−3.40kg
〇終日断食(WDF):−2.36kg
〇通常のカロリー制限(CER):−2.11kg
〇時間制限食(TRE):−1.72kg
これだけを見ると、
「隔日断食が一番いいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、この結果を見るときには注意が必要です。
■長期間になると差がみられなくなった
研究期間を分けて分析すると、結果が少し変わります。
24週間未満の研究では、
隔日断食は通常のカロリー制限よりも約1.29kg大きな体重減少がみられました。
ところが、
24週間以上の研究では、断食群と通常のカロリー制限群との間に明確な差は認められていません。
短期間では食事方法によって多少の違いが出る可能性はあるものの、長期的には「断食だから大きく痩せる」というメリットは確認されなかったということです。
研究者らも、間欠的断食と通常のカロリー制限による体重や心血管代謝リスクへの効果は、全体として似ていると結論づけています。
■「体重が減る=脂肪が減る」ではない
そして、ここからがダイエットを考えるうえで非常に重要です。
今回の研究では「体重減少」が主要な評価項目になっています。
ダイエットによって3kg体重が減ったとしても、
「脂肪だけが3kg減った」とは限りません。
私たちの体重は体脂肪だけでできているわけではないからです。
今回の研究では体脂肪についても分析されています。
自由に食べる食事と比較すると、間欠的断食によって体脂肪が低下する傾向はみられましたが、その差は研究上「わずか(trivial)」と評価されています。
そのため、
体重減少と脂肪減少は分けて考える必要があります。
■断食中の「筋肉量」と「トレーニングの質」にも注意
特に筋力トレーニングをしている人の場合は、さらに考えることがあります。
長時間食事を摂らないことで、十分なエネルギーや栄養を摂取することが難しくなれば、筋肉を維持するうえで不利になる可能性についても考える必要があります。
また、空腹感や体調によっては、トレーニング時の重量や回数、総トレーニング量などを十分に確保できず、トレーニングの質が低下する可能性も考えられます。
筋肉を維持しながら身体を変えたい人にとっては、体重減少だけではなく、栄養摂取やトレーニングの質まで含めて考える必要があるということです。
断食そのものが本当に自分の目的に合っているのか?
を一度考えてみてもいいかもしれません。
■断食は「続けられるか」も重要
そして、もう1つ考えたいのが継続性です。
今回の研究では、副作用について報告した研究の中で、
空腹感
便秘
吐き気
下痢
めまい
などが報告されています。
また、多くの研究では80%を超える高い遵守率が報告されていた一方で、52週間にわたる研究では継続が難しくなったケースもありました。
6週間:74%
↓
52週間:22%
まで低下しています。
一方、別の52週間の研究では、時間制限食と継続的エネルギー制限の両方で約84%の遵守率が報告されており、研究による違いがある点には注意が必要です。
断食をしないと痩せないと考える必要はありません。
朝・昼・夜と食べながらでも、食事量を適切に管理することはできます。
「自分の目的に合っていて、無理なく継続できる方法」を選ぶことが重要です。
■まとめ
今回の研究では
間欠的断食も通常のカロリー制限も、自由に食べる場合と比較して体重減少につながった
隔日断食では通常のカロリー制限より平均1.29kg大きな体重減少がみられた
長期間では間欠的断食と通常のカロリー制限との明確な違いは確認されなかった
体重減少と脂肪減少は分けて考える必要がある
栄養摂取やトレーニングの質まで含めて考える必要がある
無理なく継続できる方法を選ぶことが重要
ダイエットは、ただ体重を減らすことではありません。
「何を減らして、何を残すのか」
そこまで考えて自分に合った継続できる方法で身体を変えていきましょう!
引用文献
Semnani-Azad Z, Khan TA, Chiavaroli L, Chen V, Bhatt HA, Chen A, et al. Intermittent fasting strategies and their effects on body weight and other cardiometabolic risk factors: systematic review and network meta-analysis of randomised clinical trials. BMJ. 2025;389:e082007.
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