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56万人以上を調べた研究からわかった『食べる速さ』と体重の関係

9月20日
読了時間: 6分

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!


「食事の量はそんなに多くないのに、なぜか太りやすい…」

「ダイエット中だから食べる量には気をつけている」


方に一度見直してほしいのが、「食べる速さ」です。


食事内容や摂取カロリーには気をつけていても、「どれくらいの速さで食べているか」までは意識していない方も多いのではないでしょうか?


2026年に発表された研究では、日本人564,198人の健康診断データを用いて、20代の「食べる速さ」と、その後の長期的な体重の状態との関係が調査されました。


今回はこの研究をもとに、「早食いと太りやすさの関係」についてわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください!


■どんな研究?

2005〜2025年のデータから、少なくとも5回の健康診断記録がある564,198人(女性184,262人、男性379,936人)が解析対象となりました。


参加者は20代のBMI記録をもとに、

  • 低体重歴あり:BMI 18.5未満を一度以上経験

  • 普通体重のみ:BMI 18.5〜24.9

  • 肥満歴あり:BMI 25以上を一度以上経験

のグループに分類されました。


さらに、低体重・肥満だった期間の割合によって「0〜25%」「25〜50%」「50〜75%」「75〜100%」の4段階に分け、低体重や肥満がどの程度長期的に続いていたのかまで調べています。


そして20代の最初の健康診断時に、

「食べるのが速い・普通・遅い」

という自己申告の食事速度を調査し、その後の長期的な体重状態との関係を分析しました。



■結論:早食いの人ほど「肥満歴あり」の割合が高かった

結果を見ると、食べる速さと体重状態には興味深い関係がみられました。


「早食い」と回答した人の割合は、


【女性】

低体重歴あり:17.5%


普通体重のみ:24.0%


肥満歴あり:29.4%


【男性】

低体重歴あり:19.6%


普通体重のみ:32.7%


肥満歴あり:48.2%



つまり、肥満歴のある人ほど「自分は早食い」と回答している割合が高かったということです。



■肥満が長く続いている人ほど「早食い」との関連も強かった

さらに詳しく分析すると、

肥満状態で過ごしていた期間の割合が高い人ほど、早食いとの関連が強くなる傾向がみられました。


特に観察期間の75〜100%で肥満だったグループでは、20代を普通体重で過ごしていたグループと比較して、早食いとの関連がより強くみられています。


この傾向は男女ともに確認され、特に男性で強くみられました。


また、年齢・睡眠・運動習慣・身体活動量・歩行速度などを調整した後でも、この関連が確認されています。



■反対に「ゆっくり食べる人」は低体重との関連がみられた

今回の研究のおもしろいところは、早食いと肥満だけを調べているわけではないことです。


反対に「ゆっくり食べる人」についても調査されています。


低体重歴のある人で「食べるのが遅い」と回答した割合は、


女性24.9%


男性21.6%



一方、肥満歴のある人では、


女性13.4%


男性6.2%

まで低下していました。


つまり今回の研究では、


早食い → 肥満側


ゆっくり食べる → 低体重側


という、両方向の関連がみられたことになります。



■なぜ早食いは体重と関係する?

では、なぜ食べる速さと体重に関係がみられたのでしょうか?

研究では、いくつかの可能性が考察されています。


ゆっくり食べることで食事時間が長くなり、満腹感に関係する反応が起こりやすくなる可能性があります。


具体的には、

〇CCK(コレシストキニン)

〇GLP-1

〇PYY

など、食後の満腹感に関係する消化管ホルモンや、空腹感に関係するグレリンなどが関与する可能性が指摘されています。


また、

よく噛み、口の中で食べ物を処理する時間が長くなることで、満腹に関するシグナルが強まり、食事を早い段階で終えやすくなる可能性も考えられています。


ただし、これらは今回の研究で直接測定されたわけではなく、研究者が考察しているメカニズムです。


「ゆっくり食べれば必ず摂取カロリーが減る」と今回の研究だけから断定することはできません。



■「朝食を抜く」「夜遅く食べる」より食べる速さとの関連が一貫していた

今回の研究では、

  • 朝食を週3回以上抜く

  • 就寝2時間以内の夕食を週3回以上食べる

といった食事時間についても調べています。



論文の結論でも、調べられた食行動の中では、

自己申告の食事速度は不規則な食事時間よりも長期的な体重履歴との関連が一貫していたとされています。


つまり、食事では「何を食べるか」「いつ食べるか」だけではなく、

「どのように食べるか」

という部分にも目を向ける価値がありそうです。



■ダイエット中はどうすべき?

今回の研究から「ゆっくり食べれば痩せる」とまでは言えません。


ただ、普段かなり早く食べてしまう方は、食事内容だけではなく食べるペースを見直してみるのも一つの方法です。



  • 一口ごとにしっかり噛む

  • 食べ物を口に入れたまま次の一口を準備しない

  • ときどき箸を置く

  • スマホを見ながら無意識に食べない


など、無理のない範囲から始めてみましょう。


大切なのは、「遅ければ遅いほど良い」と考えるのではなく、自分が無意識に早食いになっていないかを見直すことです。



■注意点

今回の研究は56万人以上という非常に大規模なデータを使用していますが、注意点もあります。

実際に食事時間を測定したものではなく、「速い・普通・遅い」という自己申告です。


また、喫煙・飲酒・社会経済状況・職業・婚姻状況など、一部の要因については調整されていません。


平均追跡期間も約6年間であり、さらに長期的な変化については今後の研究が必要とされています。



■まとめ

今回の研究では、20代で自己申告した食べる速さと、その後の長期的な体重状態との間に関連がみられました。

特に、

  • 早食いは長期的な肥満と関連

  • ゆっくり食べることは長期的な低体重と関連

  • その関連は肥満・低体重で過ごした割合が高いグループほど強くなる傾向


食事内容を頑張って変えるだけではなく、普段の「食べ方」にも一度目を向けてみてください。

ダイエットは毎日の小さな習慣を少しずつ整えていくことが大切です。



引用文献

Katsumi Iizuka.Self-Reported Eating Speed Is Dose-Dependently and Bidirectionally Associated with Long-Term Underweight- and Obesity-Related Weight-History Groups.Nutrients. 2026 Jul 24;18(15):2412.



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