オメガ3で筋肉痛が軽減?運動後の回復との関係を最新研究から解説

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
「筋トレをした翌日、筋肉痛がひどくて動くのがつらい…」
「久しぶりに運動したら、数日間身体が痛い…」
特に運動を始めたばかりの頃は、強い筋肉痛によって「次のトレーニングをするのがつらい」と感じることもあるでしょう。
そこで今回注目したいのが、青魚などに多く含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)です。
2026年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、オメガ3脂肪酸の摂取が、運動後の筋肉痛や筋力、筋損傷からの回復にどのような影響を与えるのかが検討されました。
今回はこの研究をもとに、「オメガ3と運動後の回復」についてわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■運動後に筋肉痛が起こるのはなぜ?
慣れていない筋トレや、筋肉が伸ばされながら力を発揮する「エキセントリック運動」などを行うと、運動誘発性筋損傷(EIMD)が起こることがあります。
これに伴って、
筋肉痛
筋力の一時的な低下
関節可動域の低下
筋肉の腫れ
などがみられます。
特に「遅発性筋肉痛(DOMS)」は運動後12〜48時間ほどで現れ、24〜72時間程度でピークを迎え、場合によっては7日程度続くこともあります。
では、オメガ3脂肪酸を摂取することで、このような運動後のダメージや筋肉痛を軽減できるのでしょうか?
■どんな研究?
今回紹介するのは、2026年に掲載されたシステマティックレビュー・メタ解析です。
健康な若年〜中年成人を対象として、EPAやDHAなどの長鎖オメガ3脂肪酸の摂取と、運動後の回復について調べた研究がまとめられました。
2,539件の記録から、最終的に43研究がシステマティックレビューに採用され、そのうち9研究がメタ解析の対象となっています。
主に評価されたのは、
筋肉痛(DOMS)
筋力
関節可動域(ROM)
CKなどの筋損傷マーカー
筋肉の腫れ
などです。
「オメガ3を摂取すると、運動後の筋肉痛や筋機能の回復に違いが出るのか?」
を検討した研究です。
■結論①オメガ3で筋肉痛が軽減
メタ解析の結果、オメガ3脂肪酸を摂取したグループでは、プラセボ群と比較して
運動後の筋肉痛(DOMS)が有意に軽減していました。
筋肉痛の効果量は、
Hedges’g=−0.75
一般的に効果量は、絶対値で
「0.2程度=小さい」
「0.5程度=中程度」
「0.8程度=大きい」
が一つの目安になります。
そのため今回の筋肉痛に対する効果量は、中〜大程度と捉えることができます。
さらに、
筋損傷の指標として用いられるCK(クレアチンキナーゼ)も有意に低下しており、効果量は、
Hedges’g=−0.40
と、小〜中程度の効果量を示しています。
■結論②筋力や関節可動域にも良い結果
効果がみられたのは、筋肉痛だけではありません。
運動による影響が最も大きくなった時点で、オメガ3群ではプラセボ群と比較して、
〇筋力:Hedges’g=0.45
→小〜中程度
〇関節可動域(ROM):Hedges’g=0.93
→大きい
〇筋肉の腫れ:Hedges’g=−0.45
→小〜中程度
という結果です。
オメガ3脂肪酸の摂取によって、
筋肉痛だけでなく、筋力や関節可動域などの回復もサポートされる可能性が示されています。
ただし、効果量が大きいからといって「誰でも筋肉痛が大幅に改善する」という意味ではない点には注意が必要です。
■なぜオメガ3が回復に関係する?
EPAやDHAには、炎症反応などに関与する働きがあります。
激しい運動による筋損傷では、筋組織へのダメージだけではなく、
炎症や酸化ストレスなど
さまざまな反応が起こります。
また、EPAやDHAが骨格筋の細胞膜に取り込まれることで、膜の流動性や構造に影響し、組織を保護する可能性も考えられています。
こうした作用が、運動後の筋肉痛や筋機能の回復に関係している可能性があります。
ただし、
炎症はすべて悪いものではありません。
炎症そのものは筋肉を修復し、運動に適応していくために必要な生理反応でもあります。
そのため、「炎症を抑えれば抑えるほど良い」と考えるのではなく、オメガ3が運動後の回復をサポートする可能性があると捉えるのが適切です。
■どれくらいオメガ3を摂ればいい?
ここは今回の研究を読むうえで非常に重要なポイントです。
研究によってオメガ3の摂取量や摂取期間、運動内容などに違いがあり、研究全体にも方法論上の限界がありました。
そのため研究者らも、現時点のエビデンスからは効果的な摂取量や摂取期間を特定することはできないとしています。
■ダイエット中にも魚を取り入れよう
オメガ3脂肪酸は、サプリメントだけではなく、
サバ
イワシ
サンマ
などの魚から摂取することもできます。
ダイエットでは、
「カロリーを減らす」
「脂質をできるだけ減らす」
ことばかりに意識が向きがちです。
しかし、脂質にもさまざまな種類があります。
単純に脂質をすべて避けるのではなく、魚などを取り入れながら、食事全体のバランスを整えていくことが大切です。
そして、筋肉痛対策としてオメガ3だけに頼るのではなく、
適切なトレーニング量・十分な睡眠・栄養・休養を整えることを基本にしましょう。
■まとめ
2026年に発表されたシステマティックレビュー・メタ解析では、オメガ3脂肪酸の摂取によって、
筋肉痛(DOMS):中〜大程度の効果量
CK:小〜中程度
筋肉の腫れ:小〜中程度
筋力:小〜中程度
関節可動域(ROM):大きな効果量
が示されました。
食事や睡眠、休養を整えながら、回復のための戦略として取り入れてみても良いかもしれませんね!
引用文献
Elham Yaghoobi,et al.Effects of LC n-3 PUFA Supplementation on Muscle Pain, Function, and Damage Markers in Healthy Young to Middle-Aged Adults Following Acute or Chronic Exercise: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.Nutrients. 2026 Apr 30;18(9):1447.
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