スクワットで膝はつま先より前に出してはいけない?最新研究で検証

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
「スクワットでは、膝をつま先より前に出してはいけない」
「膝が前に出ると膝を痛める」
トレーニングをしたことがある方なら、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
では、本当にスクワットでは膝を前に出さない方がいいのでしょうか?
2026年に発表された研究では、
「膝を自然に前に出すスクワット」と「膝が前に出ないように制限したスクワット」
を6週間続け、身体にどのような違いが出るのかが調べられました。
今回はこの研究をもとに、「スクワットで膝がつま先より前に出てもいいのか?」について、わかりやすく解説していきます!
ぜひ最後まで読んでみてください!
■膝を前に出さなければ負担は減る?
スクワットは、膝だけで行う運動ではありません。
足首・膝・股関節・体幹など、さまざまな部分が一緒に動くことで、しゃがむ動作が行われます。
これまでの研究では、膝が前に出ないようにすると、膝にかかる力学的な負担は小さくなる一方で、股関節や体幹にかかる負担が大きくなる可能性が報告されています。
つまり、
膝への負担を減らしても、身体全体への負担まで小さくなるとは限らない
ということです。
また、膝がどこまで前に出るかは、しゃがむ深さや体幹の傾き、足首の動きやすさ、扱う重量、身体の特徴などによっても変わります。
そのため、「膝がつま先より前に出た=悪いフォーム」と単純に判断することは難しいのです。
■研究内容
今回の研究では、運動習慣のある18〜30歳の健康な男女60人を、3つのグループに分けました。
①膝を自然に前に出してスクワットするグループ
②膝がつま先より前に出ないようにスクワットするグループ
③スクワットをせず、普段通り生活するグループ
最終的には57人が研究を完了し、解析されています。
スクワットを行う2つのグループは、
週3回 × 6週間=合計18回の自重スクワットを行いました。
6週間で行ったスクワットは、合計720回です。
さらに、理学療法士がビデオ通話を使って毎回フォームを確認しながら実施しています。
そして研究前後で、
腰に関連する機能障害
押したときの痛みの感じやすさ
片足立ちでのバランス能力(Y Balance Test)
運動のきつさ
ジャンプ能力
などを調べています。
■結論:どちらかが優れているわけではなかった
結果は、
膝が前に出ないように制限しても、明確なメリットは確認されませんでした。
主要な評価項目だった「腰に関連する機能障害」に関しても、3つのグループ間に明確な差は示されていません。
さらに、痛みの感じやすさ、片足立ちでのバランス能力、ジャンプ能力などについても、全体として一貫した違いは確認されていません。
つまり今回の研究では、
膝をつま先より前に出さないスクワットの方が良いとは言えない結果です。
ただし、反対に、
膝を前に出すスクワットの方が良いと示されたわけでもありません。
どちらか一方が明確に優れていたという結果ではないと考えます。
■実践での注意点
今回の研究では、どちらのスクワットでも、ケガなどの有害事象や、研究を中止する基準を超える運動時の痛みは報告されていません。
ただし、ここは注意が必要です。
今回研究に参加したのは、健康で運動習慣のある18〜30歳の人たちです。
さらに行ったのは、重いバーベルを使わない自重スクワットで、期間も6週間でした。
あくまで、
健康で運動習慣のある若い人が6週間の自重スクワットを行った場合、膝が前に出ないように制限しても、はっきりしたメリットは確認されなかった
というのが今回の研究結果です。
そのため、
膝や腰に痛みがある人
高齢の人
運動習慣が少ない人
重いバーベルを使ってスクワットする場合
などにも、同じ結果が当てはまるとは限りません。
なので、
「膝はどんどん前に出してOK!」と考えるのも適切ではないでしょう。
少なくとも今回の研究のように
健康で運動習慣のある若い人が自重スクワットを行う場合、膝がつま先より前に出ることを必要以上に避ける必要はないのかもしれません。
■スクワットをしたら身体は良くなった?
今回の研究では、スクワットを行ったグループで、バランス能力やジャンプ能力など、一部の数値が研究前より数値が改善していました。
「スクワットの効果では?」
と思うところですが、
スクワットをしていないグループでも、一部の数値が変化していました。
研究では、同じテストを繰り返したことで動きに慣れたことや、測定のばらつきなどが影響した可能性が考察されています。
そのため、
「数値が良くなった=スクワットのおかげ」と単純には判断できません。
■まとめ
「スクワットでは膝をつま先より前に出してはいけない」
よく聞くフォーム指導ですが、今回の研究では、膝が前に出ないように制限しても、明確なメリットは確認されませんでした。
大切なのは、
「膝がつま先を越えたかどうか」だけで、スクワットフォームを判断しないことです。
痛みがなく、自分の身体に合った動きでスクワットを行うことを大切にしていきましょう。
引用文献
Amirkiya Movahhedi,et al.Unrestricted Versus Restricted Anterior Knee Displacement During Bodyweight Squat Training in Physically Active Young Adults: An Exploratory Three-Arm Randomized Controlled Trial.J Clin Med. 2026 Sep 15;15(18):7162.
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