プロテインは筋トレ直後が正解?【タイミングと筋肥大の関係】
- 村上 拓斗

- 24 時間前
- 読了時間: 6分

「プロテインは筋トレ後30分がゴールデンタイム」
といった話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
確かに、筋トレ後は筋タンパク質の合成が高まり、筋肉をつくるためにタンパク質を摂ることは重要です。
しかし、本当に「筋トレ直後に飲むこと」そのものが筋肉の成長を大きく左右するのでしょうか?
今回は、プロテインを飲むタイミングについて解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■プロテインの「ゴールデンタイム」とは?
筋トレ後には、トレーニングによって刺激を受けた筋肉で修復や再構築が行われます。
その材料となるのが、タンパク質(アミノ酸)です。
特に、筋トレ後には筋肉の合成を高めやすい「アナボリックウィンドウ」と呼ばれる限られた時間があり、その間にタンパク質を摂ることが重要だという考え方があります。
これがゴールデンタイムと呼ばれるようになった背景の一つです。
では実際に、タイミングによって長期間の筋トレによる筋力・筋肥大にも大きな違いが出るのでしょうか?
■メタ解析で検証
研究では、筋トレの前後でタンパク質を摂取すると、筋力や筋肥大がさらに高まるのかが分析されました。
対象となったのは、少なくとも6週間のレジスタンストレーニングを実施し、筋力または筋肥大を測定した研究です。
筋力:20研究・478名
筋肥大:23研究・525名
ここで重要なのが、単純に「プロテインを飲んだ・飲まなかった」だけではなく、
1日の総タンパク質摂取量などの影響も考慮して分析している点です。
■結論① 筋トレ直前・直後に飲んでも筋力アップに大きな差はなかった
まず筋力についてです。
筋トレの前後にタンパク質を摂取したグループ
そうではないグループ
2つのグループとの間に、統計的に有意な筋力向上の差は認められませんでした。
つまり、
「筋トレ直後にプロテインを飲めば、筋力がさらに大きく伸びる」
とは、この研究からは言えなかったということです。
■結論② 筋肥大には一見メリットがあるように見えた
筋肥大については面白い結果になっています。
単純に研究結果をまとめた分析では、
筋トレ前後にタンパク質を摂取したグループの方が、筋肥大の効果が大きくなっていました。
ところが、
1日の総タンパク質摂取量などの違いを考慮すると、その差は統計的に有意ではなくなりました。
筋肥大との関係が特に強かったのが、
「いつ飲んだか」ではなく「1日にどれだけタンパク質を摂ったか」
だったのです。
実際、調整後の分析では総タンパク質摂取量が筋肥大の効果量を予測する最も強い要因となっていました。
■なぜ「筋トレ直後」が良く見えていたのか?
ここが非常に重要なポイントです。
筋トレ前後にプロテインを摂取していたグループ
→結果として1日に摂取しているタンパク質そのものが多いケース
タイミング研究で確認された筋肥大のメリットの多くは、摂取タイミングそのものではなくタンパク質摂取量の増加によって説明できる可能性が高いとしています。
筋トレ直後に飲んだから筋肉が増えたというより、
「プロテインを飲んだことで、1日の総タンパク質摂取量が増えたから筋肉が増えた」
可能性が考えられたわけです。
■「筋トレ後30分以内に飲まないと意味がない」は本当?
今回の研究結果を見る限り、
急いでプロテインを飲まないと筋肉がつかなくなると考える必要はなさそうです。
筋トレ前後1時間以内にタンパク質を摂取することが、長期的な筋力・筋肥大を有意に高めるという明確な証拠は確認されていませんし、
研究者らは、仮に「アナボリックウィンドウ」が存在するとしても、筋トレ前後1時間より広い可能性を指摘しています。
そのため、
「筋トレが終わった!30分以内に飲まなきゃ!」
と必要以上に焦るよりも、まずは1日を通して必要なタンパク質を確保することが重要と考えられます。
■タンパク質はどのくらい摂ればいい?
この研究では、筋肉量の増加を最大化するために少なくとも約1.6g/kg/日のタンパク質摂取を支持する内容が述べられています。
例えば、
体重60kg → 約96g/日
体重70kg → 約112g/日
体重80kg → 約128g/日
今回の論文で重要なのは
タイミングを気にする前に、まず1日の必要量を確保する
という考え方です。
ただし、これは「全員が必ず1.6g/kg必要」という意味ではありません。
目的や健康状態などによっても異なります。
■結局プロテインはいつ飲めばいい?
今回の研究から考えると、プロテインは
「絶対に筋トレ直後」ではなく、自分が1日のタンパク質量を確保しやすいタイミングで活用する
という方法でよいでしょう。
例えば、
食事だけでは必要量に届かない → 間食としてプロテイン
筋トレ後に食事まで時間が空く → 筋トレ後にプロテイン
食事から十分摂れている → 無理にプロテインを追加する必要はない
プロテインは「筋肉つける魔法のドリンク」ではなく、
必要なタンパク質を補うための便利な食品として考えていきましょう。
■今回の研究の注意点
タンパク質のタイミングは完全に意味がないと断定することもできません。
摂取タイミングだけを比較した研究の少なさや、対象となった研究の多くは筋トレ初心者で、トレーニング経験者を対象とした研究は限られています。
「タイミングは絶対に関係ない」ではなく、
「少なくともタイミングより、1日の総タンパク質摂取量の方が重要そう」と捉えるのが適切です。
■まとめ
筋トレ直前・直後にタンパク質を摂ることによる明確な筋力向上効果は確認されなかった
筋肥大についても総タンパク質摂取量を考慮すると明確な効果は確認されなかった
1日の総タンパク質摂取量が筋肥大との関係が強かった
筋トレ直後にプロテインを飲むこと自体悪いことではありません。
必要量を確保するうえでは有効な手段です。
「30分以内に飲めなかったから今日の筋トレは無駄」なんてことはありません。
細かなタイミングにこだわりすぎず、まずは毎日の食事を整え、十分なタンパク質を継続して摂ることから始めてみましょう。
引用文献
Brad Jon Schoenfeld,et al.
The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis.
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