産後は「食事の時間」がバラバラだとメンタル不調に影響する?

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
「産後、食事の時間がバラバラになってしまった…」
「赤ちゃんのお世話をしていると、自分の食事は後回し…」
「朝食を食べられない日も多い…」
産後は赤ちゃん中心の生活になり、睡眠だけでなく食事の時間も不規則になりやすいですよね。
もちろん、産後の心身の状態には睡眠や周囲からのサポートなど、さまざまな要因が関係します。
そんな中、2026年に発表された研究では、日本人の初産女性を対象に、「食事時間の規則性」や「朝食を食べる頻度」と産後の抑うつ症状との関係が調査されました。
今回はこの研究をもとに、産後の食生活とメンタルヘルスについてわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■どんな研究?
対象となったのは、
0〜12か月の第1子を育てている日本人女性841名です。
参加者にオンラインでアンケートを行い、
食事を毎日だいたい同じ時間に食べているか
週に何日朝食を食べているか
睡眠状態
夜食・飲酒・カフェイン・喫煙・運動習慣
赤ちゃんの睡眠状態
産後の抑うつ症状
などを調査しました。
産後の抑うつ症状については、EPDS(エジンバラ産後うつ病自己評価票)という10項目の質問票を使用しています。
そして食事時間について、
規則的:441名
不規則またはどちらでもない:400名
に分けて産後の抑うつ症状に違いがあるのかを比較しました。
■結論:食事時間が規則的な人ほど、抑うつ症状が少なかった
結果として、
食事時間が規則的な女性:抑うつ症状が少ない傾向
が確認されました。
抑うつ症状を評価するEPDSの平均スコアは、
食事時間が不規則 → 8.6点
食事時間が規則的 → 6.9点
もちろん、産後のメンタルには食事以外にもさまざまなことが関係します。
例えば、
睡眠不足、年齢、生活習慣、赤ちゃんの夜泣きなどです。
こうした影響をできるだけ取り除いて分析をしても食事時間が規則的なことと、抑うつ症状が少ないことには関連が示されています。
■「朝食を毎日食べること」は関連しなかった
もう一つ面白いのが朝食です。
単純に比較すると、毎日朝食を食べている女性の方が、抑うつ症状の点数は低くなっていました。
しかし、睡眠や生活習慣などの違いを考慮して詳しく分析すると、
「毎日朝食を食べること」そのものと抑うつ症状には、はっきりとした関連が確認されていません。
一方で、食事時間が規則的であることとの関連は残りました。
つまり、
日々の食事リズムが安定していることの方が、産後のメンタルヘルスと関連している可能性があると考えられます。
ここは注意が必要です。
朝食が不要という意味ではありません。
論文でも、妊娠・産後の朝食欠食は栄養摂取不足などとの関連が報告されていることが説明されています。
■なぜ食事時間がメンタルと関係する?
では、なぜ食事時間がバラバラになることがメンタルヘルスと関連するのでしょうか?
研究者らが一つの可能性として挙げているのが、「体内時計」です。
私たちの身体には約24時間周期のリズムを作る「概日リズム」があり、睡眠・覚醒だけでなく、ホルモン分泌や代謝などさまざまな生理機能に関係しています。
この体内時計を整える代表的な刺激が、
「光」と「食事」
です。
食事をする時間も、身体に「今はこの時間ですよ」と知らせる手がかりの一つになります。
そのため毎日の食事時間が大きく変化すると、体内時計に与えられる刺激も不規則になり、概日リズムのズレにつながる可能性があると考察されています。
特に産後は、赤ちゃんの夜泣きや授乳などによって睡眠リズムそのものが乱れやすい時期です。
そんな時期だからこそ、こうした食事を含む体内時計の乱れがメンタルヘルスと関係している可能性を挙げています。
■ダイエットでも「食事時間」は意識したい
今回の研究はダイエットを調べたものではありませんが、食事時間をある程度整えることは、健康的な生活習慣を考えるうえでも重要なポイントです。
論文では過去の研究として、
食事時間の不規則性が睡眠の質や日中の眠気と関連
肥満・心血管リスクとの関連
が報告されていることも紹介されています。
特に産後は、赤ちゃんのお世話をしながら毎日まったく同じ時間に食事をするのは現実的ではないこともあります。
大切なのは、
「食事時間が毎日極端にバラバラになっていないか?」
と生活リズムを振り返ってみることです。
〇朝食は午前中
〇昼食は昼頃
〇夕食は夜
というように、自分の生活の中で無理のない範囲で食事のタイミングをある程度安定させることを意識してみましょう。
■「食事時間を整えれば産後うつを防げる」わけではない
ここは大切なポイントです。
今回の研究でわかったのは、
「食事時間が規則的な人ほど、抑うつ症状が少なかった」
という「関連」です。
食事時間を整えた結果、抑うつ症状が減ったことを証明した研究ではありません。
反対に、心の状態が悪くなったことで、食事時間が不規則になった可能性もあります。
研究者らも、原因と結果を明らかにするには今後さらに研究が必要としています。
■まとめ
食事時間が規則的な女性ほど、産後の抑うつ症状が少ない傾向
朝食を毎日食べること自体は抑うつ症状と有意に関連していなかった
食事は栄養素だけではなく、「食べる時間」も私たちの生活リズムを構成する一つの要素です。
産後は自分のことが後回しになりやすい時期でしょう。
「毎日の食事時間が大きく乱れていないか?」
という視点も、健康的な生活を送るための一つのポイントになりそうです。
引用文献
Tahara Y, et al. Association between mealtime regularity and breakfast frequency with postpartum depression in first-time Japanese mothers: a cross-sectional study. BMC Pregnancy and Childbirth. 2026;26:718.
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