ビートルートジュースでパフォーマンスアップ?【最新メタ解析】

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
「運動前に何を摂ればパフォーマンスが上がる?」
そんな方に今回紹介したいのが、「ビートルートジュース」です。
ビートルートとは、赤紫色をした野菜「ビーツ」のこと。
ビートルートジュースは、このビーツを原料として作られたジュースで、運動パフォーマンスとの関係が研究されています。
日本では一般的な野菜ジュースほどスーパーなどで見かける商品ではありませんが、ネット通販を中心に購入することができます。
では、このビートルートジュースを飲むことで、本当に運動能力は高まるのでしょうか?
2026年に発表された研究では、これまでに行われた複数の研究をまとめ、ビートルートジュースが有酸素・無酸素運動のパフォーマンスに与える影響が検討されました。
今回はこの研究をもとに解説していきます!
ぜひ最後まで読んでみてください!
■研究内容
今回紹介するのは、2026年に掲載されたシステマティックレビュー・メタ解析です。
研究者らは複数のデータベースから、ビートルートジュースとプラセボを比較した研究を集め、
最終的に33件の研究論文、合計519人のデータが対象となり、参加者にはプロ・アマチュアのアスリートが含まれていました。
主に調べられたのは、
高強度インターバルスプリント(HIS)
平均パワー(MPO)
最大酸素摂取量(VO₂max)
の3つです。
つまり、
「瞬発的な激しい運動」
「高いパワーを出す能力」
「有酸素能力」
という異なる運動能力に対して、ビートルートジュースがどのような影響を与えるのかをまとめて調べた研究です。
■結論:パフォーマンスが向上した
結果、ビートルートジュースを摂取した場合、プラセボと比較して
3つすべての運動パフォーマンス指標で有意な改善が確認されました。
SMD(標準化平均差)の一般的な目安として
0.2程度:小さい効果
0.5程度:中程度の効果
0.8以上:大きい効果
①高強度インターバルスプリント能力
高強度インターバルスプリントでは、
SMD=0.38
これは、ダッシュ→休憩→ダッシュのように、高強度の運動を繰り返す能力に関係します。
サッカーなどの球技やHIITのように、激しい運動を何度も繰り返す場面では重要になる能力です。
②平均パワー
平均パワーでは、
SMD=0.43
今回調べられた3つの指標の中では、最も大きな効果量でした。
平均パワーは、高強度運動中にどの程度のパワーを発揮・維持できるかを見る指標の一つです。
つまり、ビートルートジュースによって、高強度運動で高いパワーを維持する能力を少し高められる可能性があります。
③最大酸素摂取量(VO₂max)
VO₂maxでは、
SMD=0.30
VO₂maxとは、運動中に身体が取り込み、利用できる酸素量の上限を表す代表的な有酸素能力の指標です。
数値が高いほど、一般的には持久的な運動能力が高いことを意味します。
ただし、3つの指標の中では効果量は比較的小さく、論文でも競技アスリートには意味を持つ可能性がある一方、一般的な運動者にとっての実用的な意味は小さい可能性が指摘されています。
■なぜビートルートジュースで運動能力が上がる?
ここで重要になるのが、ビートルートジュースに含まれている硝酸塩です。
摂取した硝酸塩は体内で、
硝酸塩
↓
亜硝酸塩
↓
一酸化窒素
へと変換されます。
この一酸化窒素は、血流などの調節に関係する物質です。
血流の改善
ミトコンドリア機能への作用
筋肉の収縮効率の改善
運動時の酸素消費量の低下
などが起こる可能性が説明されています。
筋肉へ酸素や血液を届けやすくし、エネルギーを効率よく使えるようになる可能性があり、
その結果、疲労を遅らせたり、高いパワーを維持しやすくなったりすることが、運動パフォーマンスの向上につながると考えられています。
■運動の何時間前に飲めばいい?
実際に取り入れるなら、「いつ飲むの?」というところも気になりますよね。
研究で使われている方法を参考にするなら、
「運動の2〜3時間前」
が一つの目安になりそうです。
ただし、2時間前が一番効果的とまでは言えません。
摂取タイミングによるグループ間の差そのものは統計的に有意ではなかったためです。
論文でも、
競技レベル
スポーツの種類
摂取方法
ブランド
摂取タイミング
などによって効果が変わるかどうかは、まだ十分に証明されていないとしています。
また、
急性摂取=運動前などに短期的に摂取する方法
と、
継続摂取=数日間など継続して摂取する方法
のグループ間に統計的な差は確認されていないため、どちらが優れているかまでは判断できない点にも注意が必要です。
■研究を見るうえでの注意点
今回の研究では、3つの運動パフォーマンス指標すべてで改善が確認されました。
一方で、エビデンスの確実性は3項目とも「中程度」と評価されています。
また、年齢や性別による違いや、摂取量と効果の関係、長期的に摂取した場合の影響などについては、十分に検討できていません。
そのため、「ビートルートジュースを飲めば誰でも確実にパフォーマンスが上がる」というものではなく、一定の効果が期待できる可能性が示されていると考えるのが適切です。
■まとめ
今回の33研究をまとめたメタ解析では、ビートルートジュースの摂取によって、
高強度インターバルスプリント能力
平均パワー
最大酸素摂取量(VO₂max)
のすべてで有意な改善が確認されました。
高強度の運動をする方、ダッシュを繰り返すスポーツをする方、持久系スポーツをする方、運動パフォーマンスを少しでも高めたい方にとっては、栄養戦略の選択肢の一つになるかもしれません。
引用文献
Cai C, Huang P, Cheng X, Zhou J.Effectiveness of beetroot juice on aerobic and anaerobic exercise performance: systematic review and meta-analysis.Frontiers in Nutrition. 2026;13:1844096.
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