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赤身肉を食べると腸では何が起きる?


筋肉をつけるため、ダイエットを成功させるために、高タンパクな食事を意識している方は多いでしょう。

タンパク質は筋肉の材料となる重要な栄養素ですが、同じタンパク質でも、動物性と植物性では腸内環境への影響が異なる可能性があるようです。

腸内環境は、消化吸収だけでなく、免疫機能や炎症、さらには全身の健康にも深く関わっていることが明らかになっており、身体づくりにおいて決して無視できない部分です。


今回は、タンパク質の種類が腸内環境に与える影響についてわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで読んでみてください!



■腸内環境はタンパク質源によって変わる?

研究では、マウスにタンパク質源だけを変えた5種類の餌を与えました。

  • 牛肉由来タンパク質

  • 卵白タンパク質

  • カゼイン(乳タンパク質)

  • 大豆タンパク質

  • エンドウ豆タンパク質


カロリーを揃え、タンパク質の種類だけが異なる状況で、腸の炎症にどう関わるかを比較しています。



■結論:牛肉タンパク質では腸の炎症が悪化した


〇牛肉由来タンパク質を摂取したマウス:最も重い炎症

〇エンドウ豆由来タンパク質を摂取したマウス:最も軽度な炎症


卵白、カゼイン、大豆はこの中間という結果です。



■牛肉タンパク質そのものが原因?

腸内細菌をほとんど取り除いたマウスに牛肉タンパク質を与える

炎症の悪化はほとんど見られていない。


さらに、

牛肉タンパク質を食べたマウスの腸内細菌を別のマウスへ移植

移植されたマウスは腸の炎症が悪化。


つまり、牛肉タンパク質そのものではなく、

牛肉タンパク質によって変化した腸内細菌が炎症の悪化に関わっている可能性

が示されたのです。



■タンパク質の種類によって腸内環境が変化した

研究では、タンパク質の種類によって、腸内細菌や胆汁酸のバランスが変わることが確認されました。


牛肉タンパク質を摂取したマウス:Akkermansia muciniphilaという細菌が多く存在。

→この細菌は普段は腸内で良い働きもしますが、増えすぎると腸を守る粘液を分解してしまうことがあります。

実際に研究では、

  • 腸を守る粘液層が約50%薄くなった

  • 腸のバリア機能が低下した


一方、

エンドウ豆タンパク質を摂取したマウス:Lactobacillus johnsoniiなどの腸内細菌が多く存在。

→これらの細菌は、胆汁酸のバランスを整える働きがあり、牛肉タンパク質を摂取したマウスで多く見られた「タウロコール酸」という胆汁酸を減らすことができます。



つまり、

〇牛肉タンパク質

→ 腸内細菌のバランスが変化する

→ 腸を守る力が弱くなり、炎症に関わる胆汁酸が増える

→ 腸の炎症が起こりやすくなる


〇エンドウ豆タンパク質

→ 胆汁酸のバランスを整える腸内細菌が増える

→ 炎症に関わる胆汁酸が増えにくくなる

→ 腸内環境が保たれやすい



■食物繊維を加えると改善した

興味深いことに、牛肉タンパク質の餌へサイリウム(オオバコ由来の水溶性食物繊維)を追加すると、

  • 腸の炎症が軽減

  • 善玉菌が増加

  • 胆汁酸のバランスが改善

することが確認されました。


つまり、肉を食べること自体が悪いのではなく

食物繊維が不足した食事が腸内環境を悪化させる一因になっている可能性

が示唆されています。


■この研究からわかること

今回の研究はマウスを対象とした研究であり、ヒトでも同様の効果が得られるかは今後の研究が待たれます。


しかし、

  • 肉中心の食生活

  • 食物繊維不足

が続くことで、腸内細菌や胆汁酸のバランスが変化し、腸内環境へ影響を与える可能性が示されました。


タンパク質を十分に摂ることが大切ですが、それと同じくらい食事全体のバランスも重要です。

肉だけに偏るのではなく、

  • 大豆製品

  • 野菜

  • 果物

  • 海藻

  • きのこ類

なども取り入れ、食物繊維をしっかり摂ることが、腸内環境を整えながら健康的な身体づくりにつながるでしょう。



■まとめ

  • 牛肉由来タンパク質は腸の炎症が強かった

  • 炎症には腸内細菌や胆汁酸の変化が関係していた

  • 食物繊維(サイリウム)の追加によって腸内環境や炎症が改善した


高タンパクな食事は、身体づくりには欠かせません。

しかし、「どのようなタンパク質を選ぶか」、「十分な食物繊維を一緒に摂れているか」も、腸内環境や健康を考えるうえで大切なポイントです。



引用文献

Simon M Gray,et al.Dietary protein source mediates colitis pathogenesis through bacterial modulation of bile acids.Cell Mol Gastroenterol Hepatol. 2026.



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