日本人アスリートの調査から学ぶ【筋肉を成長させる食事戦略】

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
トレーニングをしている方であれば、
「筋肉が思うようにつかない」
「トレーニング後の回復が遅い」
と感じたことはありませんか?
それは、エネルギー摂取が消費に追いついていないサインかもしれません。
2026 年に発表された日本人男子アスリート(サッカー・長距離走・ロードサイクリスト)のエネルギー出納(摂取−消費)を調査した研究をもとに、
筋肉を成長させるための実践的な食事戦略
を解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■どんな研究?
対象: 90 名の日本人男子アスリート(サッカー・長距離走・ロードレース)
調査日:トレーニング日 1 日
休息日 1 日
エネルギー摂取量:食事写真と記録から算出
エネルギー消費量:METs(代謝当量)と身体活動レベル(PAL)で推定
エネルギー摂取量 − エネルギー消費量
から、1日の「エネルギーバランス」を調べています。
■結論:トレーニング日はエネルギー不足になっていた
結果を見ると、非常に興味深いことがわかりました。

3競技すべてで、トレーニング日は消費するエネルギーに対して摂取エネルギーが追いついていないという結果です。
一方、休養日のエネルギーバランスは中央値でプラスになっています。
つまり今回の研究からは、
「運動量が増えるトレーニング日に食事量が追いつかなくなる」
可能性が見えてきます。
エネルギー不足だと、筋肉の合成が抑制され、回復が遅れる可能性があるため注意しなければなりません。
■糖質摂取量の現実
さらに注目したいのが、糖質とタンパク質です。

3競技ともタンパク質はかなり摂れています。
一方で、論文ではトレーニング時間を考慮すると、糖質は推奨量に対して不足、または不足傾向だったとしています。
「タンパク質が足りない」というより、「運動量に対してエネルギー、特に糖質が十分ではない可能性がある」という状態だったわけです。
■筋肉をつけるために注目すべきポイント
ここからが、筋トレをしている人にとって重要な部分です。
筋肉をつけようと思うと、
「プロテインを飲もう」
「鶏胸肉を食べよう」
「タンパク質を体重×○g摂ろう」
と考えがちです。
もちろん、タンパク質は重要です。
しかし今回の論文では、エネルギーが不足している状況では、十分なタンパク質を摂っていても、それがエネルギー源として利用される可能性があることについても言及されています。
「タンパク質を摂る」+「必要なエネルギーを確保する」
という両方の視点が重要になります。
特に、
「トレーニング量を増やしたのに体重が増えない」
「プロテインを飲んでいるのに身体が大きくならない」
という人は、タンパク質をさらに増やす前に、
1日の総摂取エネルギーや糖質が足りているか
を確認してみる価値があります。
■筋肉を成長させるための3ステップ
では、実際の食事では何をすればいいのでしょうか?
①「食べる量」を確認する
最初に確認したいのは、
トレーニング量に対して食事量が少なすぎないか?
ということです。
筋肉を増やしたいのに、
朝:プロテインだけ
昼:サラダ+鶏胸肉
夜:ご飯+おかず
のような食事では、タンパク質を意識していても、総エネルギーが不足しているという問題は解決しません。
まずは自分が1日にどの程度食べているのかを把握するところから始めましょう。
②トレーニング日は糖質を減らしすぎない
今回の研究では、トレーニング日に糖質摂取量を改善する必要性を指摘しています。
特にサッカー選手と長距離ランナーでは、朝食・昼食より夕食に糖質摂取が偏っていました。
朝食・昼食・補食を活用して糖質を確保することもポイントです。
③タンパク質を1日を通して摂る
タンパク質も、
「1日の合計量だけクリアすればいい」
と考えるのではなく、食事ごとの摂取も意識しましょう。
タンパク質を1日の食事にバランスよく分配する必要性が指摘されています。
朝なら、
ご飯+卵+納豆+ヨーグルト
などの組み合わせで、
「エネルギーを確保する糖質」と「身体の材料となるタンパク質」
を一緒に摂ることができます。
④体重とパフォーマンスをモニタリング
体重が減少傾向ならエネルギー摂取を増やす戦略も必要です。
■注意点:研究からわかること
今回の研究は、筋トレによる筋肥大を調べた研究ではありません。
対象者もサッカー選手・長距離ランナー・ロードサイクリストであり、筋肉量の増加を比較した研究ではなく、エネルギー消費量もMETsやPALから推定されたものです。
今回の研究から一般トレーニングで参考にできるのは、
運動量が多い日は、自分が思っている以上にエネルギー摂取が追いつかない可能性がある
という点です。
目的やトレーニング量に合わせたエネルギー摂取を意識してみましょう。
■まとめ
今回の日本人男性アスリート90人を対象とした研究では、タンパク質は比較的十分に摂取されていたにもかかわらず、3競技すべてでトレーニング日のエネルギーバランスがマイナスとなっていました。
さらに、糖質はトレーニング量を考えると不足、または不足傾向にあることが示されました。
筋肉を成長させたい場合は、
「そもそも身体を成長させるためのエネルギーは足りているか?」
という視点を忘れてはなりません。
トレーニングを頑張っているのになかなか身体が変わらない人ほど、必要な栄養をしっかり摂ることが身体づくりの第一歩になるでしょう!
引用文献
Nakamura N, Ozawa S, Tokiwa S, et al. Energy intake and expenditure of Japanese male soccer, long-distance running, and road cycling athletes across multiple teams. Physical Activity and Nutrition. 2026;30(2):53-62.
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