体重は何%減らせばいい?日本人294人の研究からわかった減量と健康の関係

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
ダイエットをしていると、どうしても気になるのが「体重」です。
せっかく食事や運動を頑張るなら、できるだけ大きく体重を落としたいと思う方も多いのではないでしょうか?
しかし、健康という視点で考えると、本当に「たくさん痩せること」だけが重要なのでしょうか?
2026年に発表された日本人294人を対象とした「SLIM-TARGET試験」では、肥満症に対する標準的な治療と、より積極的な減量を目指す治療を比較し、体重や肥満に関連する健康障害がどのように変化するのかが調べられました。
今回はこの研究をもとに、
「体重を何%減らせば健康につながるのか?」
「体重があまり減らなくても意味はあるのか?」
について、わかりやすく解説していきます!
ぜひ最後まで読んでみてください!
■どんな研究?
今回紹介するのは、日本で行われた「SLIM-TARGET試験」です。
BMI25以上で、糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝などの肥満に関連する健康障害を抱える成人294人を対象に、
①標準治療群(標準的な治療を受けるグループ)
②集中的治療群(より積極的に減量を目指すグループ)
に分けられ、12か月間にわたって比較されました。
集中的治療群では、より頻繁な栄養指導に加え、食事療法や運動療法などを組み合わせ、必要に応じて薬物療法も行われ、「7%の体重減少」が目標とされました。
■実際、体重はどれくらい減った?
12か月後の平均体重変化は、
〇標準治療群:約1.7%減少
〇集中的治療群:約2.5%減少
集中的治療群のほうが平均的な減量幅は大きかったものの、その差は統計的に有意ではありませんでした。
また、集中的治療群では7%の減量を目標としていましたが、平均では2.5%の減少にとどまっています。
食事や運動を頑張っていても、
仕事や家庭環境
食欲
睡眠
ストレス
など、体重にはさまざまな要因が関係します。
■健康上のメリットが大きかった
「集中的に治療しても2.5%しか減らなかったなら、あまり意味がなかったのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、体重以外を見ると違った結果がみられました。
肥満に関連する健康障害が認められなくなる「寛解」に至った割合は、
〇標準治療群:6.2%
〇集中的治療群:16.9%
集中的治療群では、健康障害が寛解する可能性が高くなっていたのです。
ただし、少なくとも1種類の健康障害が改善した人の割合については、両グループとも約60%でした。
体重減少率だけでは見えない健康上のメリットが得られた可能性があります。
■体重の差は小さくても「内臓脂肪」に差が出た
さらに興味深いのが、内臓脂肪です。
内臓脂肪面積の変化を見ると、
〇標準治療群:約8.9cm²減少
〇集中的治療群約20.5cm²減少
体重減少率の差だけを見ると、それほど大きくありませんが、内臓脂肪の減少に違いがみられたのです。
内臓脂肪の蓄積は、血糖や血圧、脂質代謝などさまざまな健康問題と関連しています。
だからこそ、
「体重が何kg減ったか」
だけを見ていると身体の変化を判断できないのです。
体重の変化がそれほど大きくなくても、
内臓脂肪が減る
肥満に関連する健康障害が改善する
血圧などの健康指標が改善する
など、身体の中では良い変化が起こっている可能性があります。
「体重だけ」を成功の基準にしないことが大切です。
■何%減量を目指せばいい?
今回の研究だけから、
「○%痩せれば必ず健康になる」
と決めることはできません。
ただし、最初から10%、15%といった大きな減量だけを成功条件にする必要もありません。
たとえば体重80kgの場合、
〇3%減量→約2.4kg
〇5%減量→約4.0kg
〇7%減量→約5.6kg
となります。
「たった2〜3kg」と感じるかもしれませんが、数%の体重減少であっても、健康状態の変化と合わせて評価することが大切です。
まずは達成可能な目標から始め、
体重以外の身体の変化も確認していきましょう。
■まとめ
今回のポイントは、
集中的治療群では7%減量を目標としていた
実際の平均体重減少は2.5%だった
標準治療群との体重減少率の差は有意ではなかった
一方、健康障害の寛解は集中的治療群で多かった
内臓脂肪も集中的治療群でより大きく減少した
体重だけでは治療やダイエットの効果を判断できない
大切なのは「体重を減らすこと」そのものではなく、脂肪を減らし、筋肉を維持しながら、健康的に動ける身体をつくっていくことです。
体重が思ったほど減っていなくても、そこで諦める必要はありません。
体重、体脂肪、腹囲、筋肉量、そして日々の身体の変化を確認しながら、無理なく続けられる方法で身体を変えていきましょう!
引用文献
Masaya Koshizaka,et al.Study of weight loss intervention to find an effective strategy for obesity management and the TARGET of weight loss amount for reducing health disorders (SLIM-TARGET): a randomized controlled trial.Endocr J. 2026 Sep 2.
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