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『気合』は根性論ではなかった【筋トレの科学】


トレーニング中、皆さんはどのように気持ちを作っていますか?

「大声を出す」「お気に入りの音楽を聴く」「深呼吸をする」等、バーベルに向かう際の気合の入れ方は人それぞれかと思います。

あるいは、特にルーティーンがない方も中にはいるのではないでしょうか。

実は、気合を入れる行為は決して根性論なんかではなく、科学が証明したパフォーマンス向上戦略なのです。

今回は「筋力を最大限に引き出すためのメンタルの作り方」をわかりやすく解説していきます。

是非、最後まで読んでみてください!


■気合を入れる(サイキングアップ)と何が変わる?

対象:大会出場経験のあるパワーリフター等200名

種目:デッドリフト

比較:①何もせず普通に引く(=サイキングアップなし)

   ②直前に気合を入れてから引く(=サイキングアップあり)

分析:挙上速度


■結論:サイキングアップで挙上速度が向上

  • サイキングアップなし:平均速度0.34m/s

  • サイキングアップあり:平均速度0.39m/s

→同じ重さのバーベルを18.58%も速く引き上げられた


これは最大挙上重量(1RM)に換算すると


約4.3%の筋力アップ


に相当します。

例えば

最大挙上重量(1RM):150㎏ →156㎏

約6㎏の上乗せに相当するということです。


■なぜ挙上速度が向上した?

①交感神経の活性化

大声を出す、体を叩く、激しい音楽を聴くなど「覚醒促進系」の戦略をとることで

→アドレナリン分泌

→心拍数、血流が増加

結果的に筋肉に対して素早く強い電気信号を送れるようになり、爆発的に速く引き上げることが可能


②興奮レベルのコントロール

興奮度が最適なポイントを超えると不安やパニックに変わり、かえって実力が発揮できない場合(逆U字理論)があり、不安や緊張を感じやすい人は興奮レベルが過剰になりがちです。

一定のルーティーン、成功イメージなど「覚醒減少系」の戦略をとることで

→過剰な緊張を抑え、最も力が出るゾーンに心身が落ち着く


③プレパフォーマンスルーティーン効果

失敗やケガへの恐怖、弱気な心理は脳の行動制御システム(BIS)が働き、本来の力が発揮できないことがわかっています。

バーベルを握るまでの手足の順番や動き、深呼吸の回数等いつもの通りの手順(プレパフォーマンスルーティーン)を毎回一定にすることで、脳がこの制御システムをシャットアウトし「今から最大出力を出す」脳へと切り替わる

→迷いや不安がない分、バーベル引き始めの爆発力が向上した


■サイキングアップの選び方

自身の性格に合わせて方法を選ぶと良いです。

①覚醒促進系

  • 興奮するシチュエーション、スリルやリスクが好きな人

  • 怒りや悔しさをエネルギーに変えるのが得意な人

  • 本番でも緊張せず、プレッシャーに強い人


②覚醒減少系

  • ミスや失敗に慎重で、不安を感じやすい人

  • 緊張しすぎるとガチガチになる人

  • いつも通りのルーティーンを行うと安心する人


■まとめ

  • サイキングアップで挙上速度向上

  • 交感神経が活性化する

  • 興奮レベルをコントロールすることができる

  • ルーティーンが脳に作用し不安や迷いを消す


是非、次のトレーニングから意識して試してみてください!




引用文献

Kurtis Cusimano,et al.The Effects of Psyching-Up on Deadlift Performance in Competitive Strongmen, Strongwomen, and Powerlifters.J Strength Cond Res.2026 May 1;40(5):576-584.



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