健康のつもりが逆効果?野菜ジュース・果汁100%ジュースの落とし穴
- 村上 拓斗

- 2 日前
- 読了時間: 4分

皆さんは普段、野菜や果物をどのように摂っていますか?
「野菜ジュースを飲んでいるから大丈夫」
「果汁100%ジュースなら健康的」
と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、野菜や果物を“ジュースにする”ことで失われてしまう大切なものがあります。
それが「食物繊維」です。
今回は、世界的医学雑誌『Lancet』に掲載された研究をもとに、食物繊維が失われることで身体にどのような影響を与えるのか解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■食物繊維を失うとどうなる?
健康な成人10名を対象に、
整リンゴ
リンゴのピューレ
リンゴジュース
を摂取してもらい、
満腹感
血糖値
インスリン分泌
への影響を比較。
なお、3種類とも炭水化物量は同じになるよう調整されています。
違うのは食物繊維の状態です。
■結論:食物繊維を失うほど満腹感は減り、血糖値は乱れる
研究の結果、
同じリンゴでも、加工されるほど満腹感が減り、血糖コントロールが悪化
することが示されました。
〇満腹感
→最も高い:整リンゴ
最も低い:リンゴジュース
〇血糖値とインスリン分泌
→ジュースは整リンゴより11倍速く摂取できたとされ、血糖値は急上昇後大きく低下し、インスリン分泌が最も高い
つまり、ジュースにすることで
食事のかさが増え満足感が出る
腸内細菌のエサになる
食後の血糖値を緩やかにする
など食物繊維の摂取によって本来得られるはずのメリットが減少してしまうのです。
逆に過食や血糖乱高下をまねき、肥満の原因となる可能性さえあるので飲み過ぎは注意が必要ですね。
■なぜ食物繊維が重要なのか?
① よく噛むことで食べ過ぎを防ぐ
リンゴをそのまま食べる場合は、
噛む回数が増え、食べる速度が遅くなる
胃がしっかり膨らむ
→脳に満腹感が伝わりやすい
一方でジュースは
→短時間で飲み切れるるため満腹感を得にくい
② 糖質の吸収を緩やかにする
食物繊維には糖質の吸収を遅らせる働きがあります。
そのため、
血糖値の急上昇を防ぐ
インスリンの過剰分泌を抑える
ことが期待できます。
しかしジュースでは食物繊維がほとんど除去されているため、糖質が急速に吸収されます。
③ 腸内環境を整える
食物繊維は腸内細菌のエサになります。
その結果、
短鎖脂肪酸の産生
腸内環境の改善
満腹感に関わるホルモンの分泌
につながります。
ジュースではこの恩恵も大きく減少してしまいます。
■野菜ジュースや果汁100%ジュースは代わりになる?
残念ながら完全な代替にはなりません。
例えば、
リンゴ半分 → 食物繊維 2〜3g
りんごジュース → 食物繊維 ほぼ0g
つまり、
ビタミンやミネラルは摂れても、
「噛む」
「満腹感を得る」
「血糖値を安定させる」
「腸内細菌を育てる」
といった重要な働きは大きく失われてしまいます。
もちろんジュースを飲むこと自体が悪いわけではありません。
ただし、
野菜や果物の代わりとして考えるのは難しい
ということです。
あくまで栄養補助食品としての位置づけとなるでしょう。
■まとめ
食物繊維を除去すると満腹感が低下し血糖コントロールが悪化する
野菜ジュースや果汁100%ジュースはあくまで栄養補助食品として考えるのが妥当
健康のために大切なのは、栄養素だけを見ることではありません。
食べ物本来の「形」や「構造」にも大きな意味があります。
野菜や果物を摂る際は、できるだけ加工されていない状態で食べることを意識してみてください。
引用文献
G.B. Haber,et al.Depletion and disruption of dietary fibre. Effects on satiety, plasma-glucose, and serum-insulin.Lancet. 1977 Oct 1;2(8040):679-82.
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