週末だけの運動でも効果はあるのか?【1万人以上を調べた最新研究】
- 村上 拓斗

- 11 分前
- 読了時間: 5分

「仕事が忙しくて、平日はなかなか運動できない」
そんな理由から、運動を諦めてしまっている方もいるのではないでしょうか?
健康のためには定期的に身体を動かすことが大切ですが、仕事や家事、育児などがある中で、毎日のように運動時間を確保するのは簡単ではありません。
2026年に発表された研究では、MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)を持つ成人10,410名を対象に、運動の頻度やパターンと死亡リスクとの関係が調査されました。
この研究をもとに平日はあまり運動が出来ない場合、週1〜2回にまとめて運動する方法でも健康へのメリットは期待できるのかについて考えていきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■「MASLD」とは?
MASLD:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患
簡単にいうと、
肝臓に脂肪がたまっていることに加えて、肥満や血糖値、血圧、脂質などの代謝異常を伴っている状態です。
MASLDは肝臓だけの問題ではなく、心血管疾患や2型糖尿病、慢性腎臓病などとも関係することが指摘されています。
■この研究では何を調べた?
今回の研究では、MASLDを持つ成人10,410名を対象に、
「運動する日数が少なくても、1週間の運動量をしっかり確保できていれば健康に良いのか?」
が調べられました。
参加者は運動習慣によって、次の4グループに分けられています。
ほとんど運動しない
週150分未満の運動
週150分以上を週1〜2回にまとめて行う
週150分以上を週3回以上に分けて行う
このうち、週1〜2回に運動をまとめる人を「ウィークエンド・ウォリアー」としています。
直訳すると「週末の戦士」ですが、簡単にいうと、
「1週間に必要な運動量を、週1〜2回にまとめて行う人」のことを指しています。
その後、約6年半追跡し、亡くなった人の割合や、心血管疾患による死亡との関係を調べました。
■結論
まずは結論です。
1週間に150分以上運動していた人:まったく運動していない人より死亡リスクが低い
さらに注目されたのが、週1〜2回に運動をまとめていた人です。
運動をしていない人と比べると、
全死亡リスク:約58%低い
心血管疾患による死亡リスク:約83%低い
という関連がみられました。
そして、
週1〜2回にまとめて運動する人と、週3回以上に分けて運動する人の間では、死亡リスクに明確な差は確認されませんでした。
つまり今回の研究では、
「毎日のように運動できなくても、1週間トータルの運動量を確保できていれば、健康上のメリットが期待できる可能性がある」という結果です。
■60歳以上ではどうだった?
もう一つ興味深いポイントがあります。
年齢別に分析すると、ウィークエンド・ウォリアーと全死亡リスク低下との有意な関連が確認されたのは60歳未満でした。
論文では、60歳以上の人に対して週1〜2回に運動を集中させる方法を一律に勧めることには慎重な姿勢を示しています。
年齢や体力、疾患、生活習慣などによって適した運動方法は異なるため、
「全員が同じ運動頻度でいい」というわけではないことも覚えておきたいところです。
■ポイントは「できる形で続ける」
運動を始めようとすると、
「毎日歩かなければ」
「週4〜5回ジムに行かなければ」
「まとまった時間が取れないから今は無理」
と考えてしまう方もいます。
しかし、
今回の研究では、運動頻度が増えるほど無限に死亡リスクが低下していったわけではありません。
全死亡との関連:週3回程度まで
心血管死亡との関連:週2回程度まで
それ以上頻度を増やしても明確な追加的メリットは確認されませんでした。
もちろん、多く運動しても意味がないということではありません。
筋力向上、筋肉量、体力、血糖管理、体重管理など、今回評価されていない効果もあるためです。
大切なのは、「必要な運動量を自分の生活の中でどう確保するか」という視点です。
■注意点
運動量は加速度計などで測定したのではなく、参加者の自己申告ですし、
ウィークエンド・ウォリアーに該当した人は294名と比較的少ないことも研究の限界です。
「週1〜2回まとめて運動したから死亡リスクが下がった」という因果関係まで証明されたわけではないことには注意が必要です。
■まとめ
1週間トータルの運動量を確保できれば、健康上のメリットが期待できる可能性がある。
60歳以上の人に対しては年齢や体力、疾患、生活習慣などを考慮する必要がある。
運動頻度が増えるほど無限に死亡リスクが低下していったわけではなかった。
今回の研究から考えたいのは、「毎日運動できないから意味がない」と考える必要はないということです。
「理想的な運動頻度」を追い求めること以上に、自分の生活の中で無理なく続けられる運動習慣をつくることから始めてみてはいかがでしょうか?
引用文献
Mengbiao Cai,et al.Weekend warrior physical activity pattern and risk of all-cause and cardiovascular mortality among US adults with metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease: A prospective cohort study of NHANES 2007–2018.Sci Prog. 2026 Apr 15;109(2):00368504261444443.
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