アーモンドを食べると睡眠はどう変わる?
- 村上 拓斗

- 11 分前
- 読了時間: 5分

みなさんは睡眠のために、何を意識していますか?
睡眠時間を確保する、寝る前のスマホを控える、カフェインを摂りすぎないなど、睡眠対策にはさまざまな方法があります。
一方で、意外と見落とされやすいのが普段の食事内容です。
2026年に発表された研究では、睡眠の質が良くない成人を対象に、アーモンドを5か月間食べ続けることで睡眠にどのような変化が起こるのかが調査されました。
今回はこの研究をもとに、アーモンドと睡眠の質にはどのような関係があるのかについて、わかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■アーモンドを5か月間食べると睡眠は変わる?
今回の研究では、インドに住む成人209名がアーモンド群または対照群に無作為に割り付けられ、5ヶ月間の介入を完了した175名が対象となりました。
アーモンド群:1日60g(約50粒)の生アーモンド
対照群:アーモンドとカロリーやタンパク質量を合わせたスナック
同じくらいのカロリーやタンパク質を摂った場合でも、アーモンドを選ぶことで睡眠に違いが出るのかを調べています。
睡眠の評価に使われたのが、
PSQI(ピッツバーグ睡眠質問票)
→普段の睡眠の質、寝つき、睡眠時間などを評価
ESS(エプワース眠気尺度)
→日中にどのくらい眠くなりやすいかを評価
PSG(睡眠ポリグラフ検査)
→脳波などを測定し、睡眠効率や寝つくまでの時間、夜中に起きている時間、深い睡眠やREM睡眠などを客観的に評価
つまり、
「本人の感覚」と「実際の睡眠状態」の両方から評価しています。
■結論:アーモンド群で睡眠が改善
研究開始時の状態や性別の違いを調整して比較すると、5か月後には次のような結果となりました。
〇睡眠の質を表すPSQI(質問票)
アーモンド群:3.94
対照群:4.79
※PSQIは数値が低いほど睡眠の質が良いことを表します。
〇睡眠効率
アーモンド群:94.45%
対照群:91.85%
睡眠効率とは簡単にいうと、
「ベッドにいる時間のうち、実際に眠れている時間の割合」です。
たとえば8時間ベッドにいても、寝つくまでに時間がかかったり、夜中に何度も目が覚めたりすれば、実際に眠れている時間は短くなります。
〇眠りにつくまでの時間
アーモンド群:約18分
対照群:約26分
つまり、アーモンドを摂取したグループでは、
「全体的によく眠れていると感じる」
「ベッドにいる時間をより睡眠に使えている」
「寝つくまでの時間が短い」
という結果が確認されました。
■ただし「実際の睡眠」が大きく変わったわけではない
ここは今回の研究を見るうえで重要なポイントです。
本人が感じる睡眠の質には違いがみられましたが、PSG(睡眠ポリグラフ検査)で客観的に測定した、
睡眠効率
寝つくまでの時間
深い睡眠
REM睡眠
夜中に起きている時間
などの多くの項目では、アーモンド群と対照群の間に明確な差は確認されませんでした。
そのため、アーモンドを食べれば深い睡眠が増えるとまでは言えません。
一方で、PSQI(質問票)が3点以上改善した「睡眠が大きく改善した人」に限定すると、アーモンド群では対照群より睡眠中に起きている時間が減少していました。
つまり、本人が「よく眠れるようになった」と感じた人の一部では、実際の睡眠にも変化がみられたということがわかります。
■なぜアーモンドが睡眠に関係するのか?
理由として考えられているのが、アーモンドに含まれるさまざまな栄養成分です。
なかでもトリプトファンは、セロトニンとメラトニンの材料となるアミノ酸の一種です。
トリプトファン
↓
セロトニン
↓
メラトニン
メラトニンは、夜になると分泌が増え、身体に「眠る時間ですよ」と知らせるような役割を持っています。
また、マグネシウムも神経伝達物質や体内時計の調節に関係すると考えられていますし、アーモンドに含まれるビタミンEなどの抗酸化成分も睡眠との関連が考えられます。
そのため、何か一つの栄養素だけではなく、
アーモンドに含まれる複数の栄養成分が組み合わさって睡眠に影響した可能性が考えられています。
■実際に「メラトニン」が高くなっていた
今回の研究では血液検査も行われています。
研究開始時の数値や性別の違いを調整したところ、5か月後の血中メラトニン濃度は、
アーモンド群:約251pg/mL
対照群:約206pg/mL
となり、アーモンド群で高い値となりました。
研究者らは、この変化がアーモンドと睡眠の関係を考えるうえで、一つの生物学的な裏付けになる可能性を指摘しています。
■注意点
PSG(睡眠ポリグラフ検査)は、研究開始時と終了時にそれぞれ1晩だけ測定されています。
睡眠は日によって変化するため、1晩の測定だけでは普段の睡眠を完全に反映できない点には注意が必要です。
また、主観的な睡眠には改善がみられたものの、その効果の大きさは限定的であり、研究者らも今後さらに大規模な研究が必要としています。
■まとめ
アーモンド摂取によって主観的な睡眠の質・睡眠効率・寝つきが良好になる傾向
血中メラトニン濃度もアーモンド群で高くなった
睡眠ポリグラフ検査で測定した客観的な睡眠指標の多くには明確な差がなかった
つまり今回の研究は、「アーモンドを食べればぐっすり眠れる」と証明したわけではありません。
それでも、食事という視点が、睡眠の質にも関係する可能性を考えるうえでは興味深い結果です。
運動・食事・生活リズムまで含めて日々の生活全体を整えていくことが、良い睡眠につながるのかもしれません。
引用文献
Sharvari R Desai,et al.Effects of almond consumption on sleep quality in adults: a randomized controlled trial.Front Nutr. 2026 Jul 27;13:1892442.
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