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タンパク質は「量」だけでなく「何から摂るか」も大切?植物性タンパク質と死亡リスクの関係


筋肉をつけたり、ダイエット中の筋肉を維持するうえで欠かせない「タンパク質」。

タンパク質というと、

「1日に何g摂ればいいのか?」

「体重1kgあたり何g必要なのか?」

といった「量」に注目することが多いと思います。


しかし、タンパク質には肉・魚・卵・乳製品などの動物性タンパク質だけでなく、豆類・穀類・野菜・ナッツなどに含まれる植物性タンパク質もあります。


2026年に発表された研究では、スペインの成人を長期間追跡し、植物性タンパク質・動物性タンパク質の摂取量と死亡リスクとの関係が調べられました。


今回はこの研究をもとに、長期的な健康を考えた場合はタンパク質を「何から摂るか」についてわかりやすく解説します。

是非、最後まで読んでみてください!


■どんな研究?

今回の研究は、スペインの大学卒業者を対象とした「SUN Project」という大規模な前向きコホート研究です。

最終的に解析されたのは、

  • 17,989名

  • 女性10,961名、男性7,028名

  • 開始時の平均年齢38歳

  • 追跡期間の中央値12年


食事については、食物摂取頻度調査票を使って植物性タンパク質と動物性タンパク質の摂取量を調査しています。


さらに、食生活の変化を考慮するため、10年後の食事調査データも用いた反復測定解析が行われているのが今回の研究の特徴です。


そして参加者をタンパク質摂取量によって4つのグループに分け、死亡リスクとの関係を比較しました。


■結論:植物性タンパク質が多い人ほど死亡リスクが低かった

さまざまな要因を調整して比較すると、植物性タンパク質を最も多く摂っていたグループでは、最も少ないグループと比べて、


全死亡リスクが35%低い


という関連が認められました。


さらに、植物性タンパク質の摂取量が増えるほど死亡リスクが低くなる傾向も認められています。


植物性タンパク質の摂取量が最も少ないグループ:中央値24.3g/日

最も多いグループ:中央値39.3g/日



■動物性タンパク質は身体に悪い?

「植物性タンパク質が良いなら、肉や魚は減らした方がいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、そういう結果ではありません。


動物性タンパク質を最も多く摂っていたグループと最も少ないグループを比較しても全死亡リスクに統計的に有意な差は認められませんでした


したがって、

「動物性タンパク質=身体に悪い」と考えるのは、この研究からは適切ではありません。


実際、この研究では動物性タンパク質の主な摂取源として乳製品や魚介類が大きな割合を占めていましたし、動物性タンパク質は食品によって健康への影響が異なる可能性を指摘しています。



■なぜ植物性タンパク質が健康に良い可能性がある?

では、なぜ植物性タンパク質を多く摂っている人で死亡リスクが低かったのでしょうか?

いくつかの可能性が考察されています。


植物性タンパク質には、動物性タンパク質とは異なるアミノ酸組成があります。


例えば、


グルタミン

→ 糖代謝・インスリン感受性の改善

→ 酸化ストレスや炎症の抑制


アルギニン

→ 一酸化窒素(NO)の材料になる

→ 血管が拡張しやすくなる

→ 血圧低下に関係する可能性


グリシン

→ グルタチオン合成などに関与

→ インスリン抵抗性に関係する可能性


また、植物性タンパク質の多い食事は腸内環境にも関係し、抗炎症作用を持つ酪酸をつくる腸内細菌が増える可能性も論文では挙げられています。


ただし、ここでさらに重要なのが、植物性タンパク質だけの効果とは限らないという点です。



■「タンパク質」より食品全体が重要かもしれない

植物性タンパク質は、タンパク質だけを単独で摂取するわけではありません。


例えば、


豆類

→食物繊維やミネラル


ナッツ

→不飽和脂肪酸


穀類

→食物繊維やビタミン


など、さまざまな栄養素を一緒に摂取します。


植物性タンパク質を多く摂っている人

→食物繊維の摂取量が多く、地中海食への遵守度も高い傾向


植物性タンパク質そのものだけではなく、

  • 食物繊維

  • ビタミン

  • ミネラル

  • 不飽和脂肪酸

などを含めた「食事全体」の影響を反映している可能性を指摘しています。


ここは今回の研究を理解するうえで非常に大切なポイントです。


■具体的に何を食べればいい?

今回の研究で植物性タンパク質の主な摂取源となっていたのは、


穀類:33.4%


野菜:32.2%


豆類:15.3%


果物:7.9%


ナッツ:3.9%


そのため、動物性食品をすべて植物性食品に変えるというより、

普段の食事の中に植物性タンパク質を含む食品を増やしていく

という考え方が現実的でしょう。


「タンパク質=鶏胸肉やプロテインだけ」と考えず、さまざまな食品から摂ることが長期的な健康を考えるうえでは重要かもしれません。



■まとめ

  • 植物性タンパク質の摂取量が多い人では、少ない人と比較して全死亡リスクが35%低い

  • 動物性タンパク質の摂取量と全死亡リスクには有意な関連は確認されなかった

  • 普段の食事の中に植物性タンパク質を含む食品を増やしていくという考え方が現実的


筋肉をつけるためだけではなく、長期的な健康まで考えるのであれば、「タンパク質を何g摂るか」だけではなく、「何から摂るか」まで考えてみる価値がありそうです。



引用文献

Ainara Martínez-Tabar,et al.

High plant protein intake decreases all-cause mortality in the “Seguimiento Universidad de Navarra” (SUN) cohort European journal of nutrition.

Eur J Nutr. 2026 Aug 1;65(5):226.



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