【ダイエット中のパン選び】全粒穀物と精製小麦のダイエット効果を比較!

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!
「ダイエット中はパンを避けた方がいい?」
このような疑問を持ったことはありませんか?
パンやシリアルなどの穀物食品には、大きく分けて「精製されたもの」と「穀物を丸ごと使ったもの」があります。
一般的な白いパンなどに使われる小麦は、外側の部分などを取り除いて加工されています。
これが「精製小麦」です。
一方、穀物の外側の部分なども含めて丸ごと使ったものを「全粒穀物」と呼びます。
今回登場する「全粒ライ麦」も全粒穀物の一つで、精製された穀物より食物繊維を多く含んでいます。
では、ダイエット中に食べるパンやシリアルなどを、
「食物繊維の多い全粒ライ麦食品」にする場合と、「精製小麦食品」にする場合では、痩せ方に違いがあるのでしょうか?
この2つを12週間比較した研究をもとに、「全粒穀物とダイエット」についてわかりやすく解説していきます!
ぜひ最後まで読んでみてください!
■どんな研究?
今回の研究は、スウェーデンで行われた12週間のランダム化比較試験(RCT)です。
対象となったのは、
30〜70歳、BMI27〜35kg/㎡の過体重または肥満の男女で、
条件を満たした255名をランダムに、
①全粒ライ麦食品を食べるグループ
②精製小麦食品を食べるグループ
に分け、最終的に229名が研究を完了しました。
ここでいう食品は、パンだけではありません。
研究ではパンやシリアルなどの穀物食品が使われており、シリアルパフ、クリスプブレッド、ソフトブレッドなどが登場します。
イメージとしては、
「全粒ライ麦を使ったパン・シリアル類」vs「精製小麦を使ったパン・シリアル類」
の比較です。
さらに、どちらのグループも管理栄養士による指導のもと、
1日500kcalのエネルギー不足を目標とした減量食に取り組みました。
提供された穀物食品から摂取する食物繊維は、
全粒ライ麦:約30g/日
精製小麦:約8g/日
と大きな違いがありました。
「同じようにカロリーを抑えてダイエットしたとき、食物繊維の多い全粒ライ麦食品を選ぶと、精製小麦食品より痩せやすくなるのか?」を調べたわけです。
■結論:体重減少に統計的な有意差はなかった
12週間後、どちらのグループも体重と体脂肪が減少しました。
〇全粒ライ麦グループ
体重:約−3.2kg
体脂肪量:約−2.9kg
〇精製小麦グループ
体重:約−2.9kg
体脂肪量:約−2.8kg
数字だけを見ると全粒ライ麦の方が少し多く体重が減っていますが、
体重・体脂肪ともにグループ間で統計的な有意差はありませんでした。
■食物繊維を2倍以上摂っても、体重減少に差はなかった
12週間後の1日の食物繊維摂取量は、
全粒ライ麦:約42g/日
精製小麦:約19g/日
全粒ライ麦グループでは、精製小麦グループの2倍以上の食物繊維を摂取していたことになります。
それでも、体重や体脂肪の減少量には明確な差がありませんでした。
そのため、
「食物繊維をたくさん摂れば、その分だけ痩せる」と単純に考えることはできません。
ただし、全粒ライ麦のメリットがなかったわけではありません。
体重以外では、いくつか興味深い変化が確認されています。
■炎症の指標が低かった
12週間後、全粒ライ麦グループでは、精製小麦グループと比較してCRPが17%低くなっていました。
CRPは、体内の炎症状態を反映する血液中の指標の一つです。
さらに、この差は体重減少の影響を調整した後にも確認されました。
では、炎症とダイエットにはどのような関係があるのでしょうか?
肥満、特に内臓脂肪が増えると、脂肪組織では炎症に関わる物質が増え、慢性的な低度炎症が起こりやすくなることが知られています。
こうした慢性的な炎症は、インスリンの働きの低下など、糖や脂質の代謝が乱れることにも関係します。
CRPが低くなることは、体内の炎症状態が低くなっている可能性を示す変化として注目できます。
■腸内細菌にも変化がみられた
さらに、全粒ライ麦と精製小麦では、腸内細菌の構成にも違いが確認されました。
全粒ライ麦には食物繊維が多く含まれています。
消化しにくい食物繊維の一部が大腸まで届くと、腸内細菌によって利用・発酵されます。
食物繊維を摂る
↓
大腸まで届く
↓
腸内細菌が利用する
↓
腸内細菌の構成や働きが変化する
↓
腸内細菌が作る代謝産物にも変化が起こる
という流れが考えられます。
腸内細菌と深く関係しているのが、「短鎖脂肪酸(SCFA)」です。
食物繊維などを腸内細菌が発酵すると、
酢酸
プロピオン酸
酪酸
などの短鎖脂肪酸が作られます。
腸と身体をつなぐシグナルとして働き、食欲や代謝などに関係する可能性があります。
実際に、全粒ライ麦グループでは12週間後、精製小麦グループと比較して
血液中の酢酸と酪酸が高くなっていました。
■注意点
全粒ライ麦グループでは、精製小麦グループと比較して、
膨満感や下痢などの消化器症状が多く報告されました。
一方、精製小麦グループでは便秘症状が多く報告されています。
ただし、
症状の程度は比較的軽く、臨床的に問題となるほどではなかったとしています。
食物繊維を増やす場合は、一気に増やすのではなく、自分のお腹の調子を見ながら取り入れていくと良いでしょう。
■ダイエットでは結局どうすればいい?
今回の研究から考えたいのは、
「何を食べるか」と「どれくらい食べるか」の両方が大切ということです。
全粒ライ麦グループも精製小麦グループも、12週間で約3kg体重が減りました。
実際、両グループとも研究期間中のエネルギー摂取量は普段より約200〜250kcal/日少なくなっており、両グループのエネルギー摂取量には明確な差がありませんでした。
まずは無理なく継続できる範囲で摂取カロリーを調整することが基本です。
そのうえで、精製された穀物の一部を全粒穀物に置き換える
→食物繊維を増やし、食事の質を高める
という考え方がよいでしょう。
■まとめ
全粒ライ麦グループと精製小麦グループで体重減少に明確な差はなかった
全粒ライ麦では、食物繊維摂取量の増加、CRPの低下、腸内細菌の変化、短鎖脂肪酸の変化
など体重以外のメリットが確認された
「全粒穀物に変えれば、より痩せる」とは言えないものの、体重だけでは見えない健康面にはメリットがある可能性があります。
適切な摂取カロリーをベースに、食事の質を高めていきましょう!
引用文献
Åberg S, Nordin E, Iversen KN, et al. Effects of hypocaloric wholegrain rye vs refined wheat diets on weight loss, cardiometabolic risk factors and gut microbiota: A 12-week randomized controlled trial. Clinical Nutrition. 2026;60:106618.
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