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【可動域と筋肥大の関係】筋肉を大きくするには全可動域?部分可動域?

10月10日
読了時間: 6分

釧路市鳥取にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!


一般的に、筋トレでは関節を大きく動かす「フルレンジ」が推奨されることが多いですが、近年では筋肉が伸ばされた位置を中心に動かす「部分可動域」のトレーニングにも注目が集まっています。


では、実際にどちらの方法が筋肉を大きくするのでしょうか?


2026年に公開された研究では、筋トレ経験のある男性を対象に、フルレンジとストレッチ重視の部分可動域による筋肥大効果が比較されました。


今回はこの研究をもとに、筋肉を成長させるための効果的なトレーニング方法について、わかりやすく解説していきます!

ぜひ最後まで読んでみてください!


■トレーニングの可動域とは?

可動域とは、トレーニング中に関節を動かす範囲のことです。

今回の研究では、主に2つの方法が比較されました。


①フルレンジ(全可動域)

関節を大きく動かし、筋肉が伸びた位置から縮んだ位置までトレーニングする方法です。

例えば、レッグエクステンションで膝を深く曲げた位置から、伸ばした位置まで動かす方法です。


②ストレッチ重視の部分可動域

筋肉が伸ばされた位置を中心に、限られた範囲だけ動かす方法です。

例えば、レッグエクステンションで膝を深く曲げた位置から、途中まで伸ばして戻す方法です。


この方法は「レングスンド・パーシャルズ」とも呼ばれています。

近年では、筋肉が伸ばされた状態で負荷をかけることが、筋肥大に有利に働く可能性が注目されています。



■どんな研究?

今回の研究では、筋トレ経験のある男性を対象に、トレーニングの可動域が筋肉の成長に与える影響が調べられました。

研究は2つの実験で構成されています。



①:トレーニング直後の筋肉の反応

  • 対象:筋トレ経験のある男性8人

  • 種目:レッグエクステンション

  • 方法:片脚ずつフルレンジとストレッチ重視の部分可動域を実施

  • 評価:筋肉の成長に関わるシグナルや遺伝子の反応



②:8週間の筋肥大効果

  • 対象:筋トレ経験のある男性16人

  • 期間:8週間

  • 頻度:週2回

  • 種目:レッグプレス、レッグエクステンション、ライイングレッグカール

  • 方法:左右の脚で異なる可動域を使用

  • 評価:MRIによる筋肉の大きさや筋線維の変化


同じ人の左右の脚で異なるトレーニング方法を行い、筋肉の成長を比較した研究です。



■結果①:太ももの前側はどちらも成長

8週間のトレーニングによって、太ももの前側にある「外側広筋」は、どちらの方法でも大きくなりました。



フルレンジの方が数値上はわずかに大きく増加しましたが、

両者の筋肥大効果に統計学的に有意な差は認められていません。


ただし、有意差がなかったことは、両者の効果が完全に同じであると証明されたことを意味するわけではありません。



■結果②:筋肉の部位によっては部分可動域が有利?

一方、太ももの裏側にあるハムストリングスの一部「半腱様筋」では、異なる結果が見られました。


半腱様筋:ストレッチ重視の部分可動域の方が、フルレンジよりも統計学的に有意に大きく成長


この結果から、筋肉の種類やトレーニング種目によっては、筋肉が伸ばされた位置を中心に負荷をかける方法が有利になる可能性が考えられます。



■結果③:筋肉内部の反応にも大きな違いはなかった

今回の研究では、筋肉内部で起こる変化も調べられ、

具体的には、筋肉の成長に関わるシグナルや遺伝子の反応、筋線維の大きさなどが評価されました。


多くの評価項目で、フルレンジとストレッチ重視の部分可動域の間に明確な違いは認められていません。



■なぜ筋肥大効果に大きな違いがなかったの?

その理由の一つとして考えられるのが、

フルレンジでも筋肉が伸ばされた位置で十分な負荷がかかっていた可能性です。


坂道ダッシュをイメージしてみてください。

「坂道の最も急な部分だけを走る方法」と「急な部分を含めて坂道全体を走る方法」があったとします。

どちらの方法でも、最もきつい区間を走ることに変わりはありません。


筋トレでも同じようなことが考えられます。


フルレンジのレッグプレスでも、膝を深く曲げたときに太ももの筋肉が伸ばされ、十分な負荷がかかっていた可能性があります。



つまり、フルレンジでも部分可動域にしても、筋肉が伸びた位置でしっかり刺激を与えられていたため、筋肥大効果に大きな違いが生まれなかったのかもしれません。



ただし、これは研究結果から考えられる理由の一つであり、今回の研究で直接証明されたわけではない点には注意が必要です。



■筋肉を成長させるためのポイント

今回の研究から、実際のトレーニングで意識したいポイントを3つ紹介します。



①基本は無理のないフルレンジでトレーニングする

フルレンジでも十分な筋肥大効果が確認されています。

そのため、まずは正しいフォームを維持できる範囲で、関節をしっかり動かすことを意識しましょう。



②ストレッチ重視の部分可動域も選択肢にする

筋肉が伸ばされた位置で負荷をかける方法は、筋肉や種目によって有効な可能性があります。

ただし、すべての種目で部分可動域に変更する必要はありません。



③可動域だけでなく、継続的に負荷を高めることも大切

筋肉を成長させるためには、可動域だけでなく、適切な負荷やトレーニング量、十分な回復も重要です。

特定の可動域にこだわりすぎるよりも、正しいフォームで継続したトレーニングが大切です。



■今回の研究の注意点

今回の研究は興味深い結果を示していますが、いくつか注意点があります。

まず、8週間のトレーニング実験に参加したのは16人と少人数であり、対象者は筋トレ経験のある男性でした。


そのため、運動初心者や女性、高齢者でも同じ結果になるとは限りません。

今後、より多くの対象者を含む研究に期待しましょう。



■まとめ

  • 太ももの前側では、どちらの方法でも筋肉が成長し、明確な差は認められなかった

  • 半腱様筋では、ストレッチ重視の部分可動域の方が有意に大きく成長した

  • 筋肉の成長に関わる内部の反応も、多くの項目で明確な違いは認められなかった


今回の研究から、筋肉が伸ばされた位置での刺激は重要な可能性がありますが、必ずしも部分可動域にする必要はないと考えられます。


フルレンジでも筋肉が伸びた位置に十分な負荷をかけられる場合、部分可動域にすることで得られる追加の効果は小さいのかもしれません。


大切なのは、可動域の広さだけにこだわらず、筋肉の種類やトレーニング種目、身体の状態に合わせて適切な負荷をかけることです。



引用文献

Plotkin DL, et al. Acute molecular and chronic vastus lateralis adaptations to lengthened partial versus full range of motion resistance training in previously trained males. bioRxiv. 2026.




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