食事を減らしすぎると筋肉は衰える?最新研究が示した「炎症」と「栄養」の関係
- 村上 拓斗

- 5 日前
- 読了時間: 4分

体重を減らすためには摂取エネルギーを調整することが必要ですが、極端な食事制限は筋肉の健康を損なう可能性があると示されています。
2026年に発表された最新の研究では、高齢者を長期間追跡し、「慢性的な炎症」と「摂取カロリー」が筋肉機能の低下にどのような影響を与えるのかが調査されました。
今回は、この研究について炎症と栄養の関係について解説していきます。
食事制限中のダイエッターの方にも参考になる内容です。
ぜひ、最後まで読んでみてください!
■炎症と摂取カロリーは関連する?
今回の研究は、イタリアの地域在住高齢者1,035名(平均75歳)を対象に、約20年間追跡し、
筋肉量
筋肉の質
握力
下肢の筋パワー
を組み合わせた骨格筋機能不全スコア(SMFD)を用いて筋肉の健康状態を評価しました。
〇炎症マーカー(IL-6)
〇1日の摂取カロリー
を測定し、それぞれが筋肉機能の変化とどのように関係しているのかを解析しています。
■結論① 炎症が強い人ほど筋肉機能は低下しやすかった
研究期間中、筋肉機能は加齢とともに徐々に低下していきました。
その中でも、
〇炎症マーカーであるIL-6が高い人
→筋肉機能の低下スピードが速い
■結論② 十分なエネルギー摂取は筋肉機能の維持と関連
〇摂取カロリーが多い人
→筋肉機能スコアは高く、低下が緩やか
さらに、
炎症が高い人でも、十分なエネルギー摂取をしている場合は、炎症による筋肉機能低下の影響が一部弱まる可能性が示されています。
■炎症と栄養はお互いに影響し合う
論文では、
栄養不足は炎症を悪化させる可能性があり、
反対に十分なエネルギーや主要栄養素の摂取は炎症反応を和らげる可能性があると説明されています。
さらに別の研究では、
低栄養と炎症は腸管バリア・感染・代謝変化を介して相互に悪化する可能性が示されています。
慢性的な炎症は、
筋タンパク質を作る働きを抑える。
筋タンパク質を分解する経路を活性化する。
→筋肉量低下だけでなく筋力や筋パワー、筋肉の質まで低下すると考えられます。
つまり、
栄養不足 → 炎症が悪化 → 筋肉機能が低下しやすくなる
という悪循環が起こる可能性があるということです。
■ダイエットは特に注意
この研究は高齢者を対象としていますが、ダイエットにも参考になる内容です。
体重だけを早く落とそうとして、食事を極端に減らせば筋肉を失うリスクが高まります。
そして、リバウンドのリスクは当然高まります。
脂肪は戻ってきても、筋肉が戻ってくるとは限りません。
年齢も重ねるでしょう。
このようなダイエットを続けるということは、
栄養不足 → 炎症が悪化 → 筋肉機能低下の悪循環を示す今回の研究内容と一致します。
さらに、脂肪細胞は炎症物質を放出することもわかっています。
まさに悪循環です。
「食べないダイエット」ではなく、「必要な栄養を摂りながら脂肪を減らすダイエット」を身に付けなければなりません!
■まとめ
炎症が高い人ほど筋肉機能は低下しやすい
十分なエネルギー摂取は筋肉機能の維持と関連していた
炎症と栄養状態はお互いに影響し合っている可能性がある
まずは、自分の身体に必要なエネルギーを確保し、適切な運動で慢性的な炎症を溜め込まない生活習慣を身に付けることが、筋肉を守る上で重要だと言えます。
引用文献
Matteo Candeloro,et al.Skeletal Muscle Function Deficit Longitudinal Associations With Inflammation and Caloric Intake in Elderly. The InCHIANTI Study.J Cachexia Sarcopenia Muscle.2026 Aug;17(4):e70353.
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