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タンパク質は加熱すると吸収されにくくなる?最新研究からわかった意外な事実

4 日前
読了時間: 6分

釧路市にあるパーソナルジムR.Physio labスタッフの村上です!


タンパク質は、筋肉の維持や成長だけでなく、健康な身体を維持するためにも欠かせない栄養素です。


しかし、同じ量のタンパク質を摂取していても、食品の加工方法によって体内での利用されやすさが変化する可能性があります。


今回は、加熱によってタンパク質にどのような変化が起こるのか、そして普段の食事では何を意識すれば良いのかを2026年9月に発表された研究をもとにわかりやすく解説していきます!

ぜひ最後まで読んでみてください!


■タンパク質の摂取と吸収は別

まず知っておきたいのは、タンパク質は摂取した量が、そのまま身体に利用されるわけではないということです。


私たちが食事から摂取したタンパク質は、胃や小腸で消化酵素によって分解され、アミノ酸などの小さな物質になってから吸収されます。


吸収されたアミノ酸は、筋肉をはじめ、身体のさまざまな組織で利用されます。


つまり、タンパク質摂取で重要なのは、

  • 必要な量のタンパク質を摂取すること

  • 摂取したタンパク質が消化・吸収されること

  • 吸収されたアミノ酸が体内で利用されること


そして、今回の研究では、高温加熱によってタンパク質の消化・吸収性が変化する可能性が示されました。



■研究内容

今回紹介するのは、京都大学などの研究グループによって実施された研究です。


レトルト食品の加工を模した高温加熱が、大豆タンパク質にどのような影響を与えるのかを調べています。


具体的には、分離大豆タンパク質を水に10%の濃度で混ぜ、121℃で20分間加熱後、タンパク質の化学的な変化や消化されやすさを分析するとともに、マウスに摂取させて血中アミノ酸量の変化を調査。


さらに、6週間継続して摂取させた場合の身体や行動への影響についても検証しています。



■研究結果① 高温加熱で消化されにくいタンパク質が増加

まず、高温加熱した大豆タンパク質を分析したところ、


測定される総アミノ酸量が約10%減少していました。


さらに、消化酵素を使用しても分解されにくいタンパク質やペプチドが増加していたのです。


なぜ、このような変化が起こるのでしょうか?


タンパク質は加熱されると、その構造が変化します。

(適切な加熱によって消化されやすくなる場合もあるが、強い加熱によって化学的な変化が起こると、反対に消化されにくくなることがある。)


ただし、すべての加熱調理で同じ変化が起こるわけではありません。



■研究結果② 摂取後の血中アミノ酸量が約25%低下

さらに研究では、高温加熱した大豆タンパク質をマウスに与え、摂取後の血中アミノ酸量を調べました。


その結果、加熱していない大豆タンパク質を摂取したマウスと比較して、


摂取60分後の血中遊離アミノ酸量が約25%低下していました。


これは、高温加熱によってタンパク質の消化・吸収や、摂取後のアミノ酸の利用されやすさが変化した可能性を示しています。


ただし、ここで注意したい点があります。


血中アミノ酸量が25%低下したからといって、タンパク質の吸収率が25%低下したという意味ではありません。


今回測定されたのは、摂取60分後という特定の時点における血中アミノ酸量です。


そのため、最終的にどれだけのタンパク質が吸収されたのか、筋肉の成長にどの程度影響するのかまでは明らかになっていません。


それでも今回の結果は、

同じタンパク質でも、加工条件によって摂取後の体内での反応が異なる可能性があることを示す興味深いものです。



■高温加熱した食品は避けるべき?

ここまで読むと、

「レトルト食品は栄養価が低い?」

「缶詰のタンパク質は吸収されにくい?」

と思う方もいるかもしれません。


しかし、今回の研究結果だけで、レトルト食品や缶詰を避ける必要があるとまでは言えません。

なぜなら、今回使用されたのは大豆タンパク質を水に混ぜた実験用の試料であり、実際のレトルト食品や缶詰を調べたわけではないからです。


また、マウスを対象とした研究であるため、人間でも同じ影響が起こるかどうかは確認されていません。


さらに、食品の加熱には重要な役割があります。


例えば、加熱によって食中毒の原因となる微生物を不活化できるほか、大豆に含まれる消化酵素の働きを妨げる物質を減らすこともできます。


つまり、加熱はタンパク質の消化性を高める場合もあれば、加熱条件によっては反対に低下させる場合もあるということです。


加熱そのものが悪いわけではなく、食品の種類や加熱条件によって影響が異なると考えることが大切です。


■普段の食事では何を意識すれば良い?

今回の研究から考えたいのは、

タンパク質は摂取量だけでなく、体内でどれだけ利用されるかも重要ということです。


ただし、だからといって加熱方法を必要以上に気にしたり、タンパク質の摂取量をむやみに増やしたりする必要はありません。


日常生活では、まず次のことを意識しましょう。


① 必要なタンパク質量をしっかり確保する

筋肉の維持や成長を目指す場合、まず重要なのは、1日に必要なタンパク質を十分に摂取することです。

吸収への影響を心配して必要以上に食べるのではなく、まずは自分に必要な量を確保することが基本になります。



② さまざまな食品からタンパク質を摂取する

タンパク質を含む食品には、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などがあります。


これらの食品は、含まれるアミノ酸の種類や量、消化されやすさなどに違いがあります。

また、それぞれ異なるビタミンやミネラルなども含まれています。


特定の食品だけに偏るのではなく、さまざまな食品を組み合わせることで、栄養バランスの良い食事につながります。



③ 加熱方法を過度に気にしない

研究で検証されたのは、121℃で20分間という特定の高温加熱条件です。


一般的な茹でる、蒸す、焼くといった調理方法を比較した研究ではないため、今回の結果から特定の調理方法を推奨したり、避けたりすることはできません。


食品に適した方法で安全に調理し、無理なく続けられる食生活を意識することが大切です。



■まとめ

今回の研究では、大豆タンパク質を高温加熱することで、次のような変化が確認されました。

  • 測定される総アミノ酸量が約10%減少

  • 消化されにくいタンパク質やペプチドが増加

  • マウスの摂取60分後の血中アミノ酸量が約25%低下


これらの結果から、高温加熱によってタンパク質の消化・吸収性が変化する可能性が示されました。

ただし、今回の結果がそのまま人間や市販の加工食品に当てはまるわけではありません。


今回の研究で重要なのは、タンパク質は摂取した量がそのまま身体に利用されるわけではなく、加工方法によって利用されやすさが変化する可能性があるということです。


まず必要なタンパク質量をしっかり確保したうえで、さまざまな食品をバランスよく摂取し、安全性を考慮した調理を心がけましょう。




引用文献

Tomoko T. Asai,et al. High-temperature-treated soy protein isolate reduces amino acid availability and alters social novelty in mice.npj Science of Food.




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