睡眠5時間と7時間で『痩せ方』が変わる?【睡眠時間と脂肪減少の関係】
- 村上 拓斗

- 8月26日
- 読了時間: 4分

ダイエットというと、
「食事を見直す」
「運動をする」
この2つを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、もう一つ見落としたくないのが「睡眠」です。
では、食べる量をしっかり管理して、同じようにカロリー制限をしていたとしても、睡眠時間が短いとダイエットの結果は変わるのでしょうか?
今回は「8.5時間ベッドで過ごす条件」と「5.5時間ベッドで過ごす条件」を比較した研究をもとに、ダイエット中こそ、なぜ睡眠が重要なのかについてわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!
■睡眠時間が短いとどうなる?
今回の研究に参加したのは、過体重の成人10名です。
男性:7名
女性:3名
平均年齢:41歳
平均BMI:27.4
参加者は研究施設で、それぞれ14日間、
①8.5時間の睡眠機会を設ける条件
②5.5時間の睡眠機会を設ける条件
の両方を経験しました。
順番による影響をできるだけ抑えるため、どちらを先に行うかはランダムに決められ、2つの条件の間には少なくとも3か月の期間が設けられています。
そして重要なのが、
どちらの条件でも食事は実際に計量され、摂取量が管理されていたという点です。
つまり、同じように食事制限をしていても、
睡眠時間を短くすると、痩せ方にどのような違いが出るのかを調べた研究です。
■結論:どちらも体重は約3kg減少した
まず注目したいのが「体重」です。
14日後の体重減少は、
8.5時間条件:約2.9kg減
5.5時間条件:約3.0kg減
ほとんど同じで、体重減少量そのものには統計学的に有意な差はありませんでした。
これだけを見ると、
「睡眠時間が短くても体重は同じくらい減っているから問題ないのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、大きな違いがあったのは、
「体重の中身」です。
■睡眠時間が短いと「脂肪」が減りにくかった
8.5時間条件では、
脂肪:約1.4kg減
一方、5.5時間条件では、
脂肪:約0.6kg減
減った体重のうち脂肪が占める割合を見ると、
8.5時間条件 → 56%
5.5時間条件 → 25%
体重の減少量には大きな違いがない一方、「脂肪」と「除脂肪体重」の減り方が大きく異なることが示されています。
つまり、
体重計の数字では同じように減少しても、身体の中で起きていることは同じではない
ということです。
■睡眠時間が短いと「除脂肪体重」が大きく減った
除脂肪体重の減少量は、
8.5時間条件:約1.5kg減
5.5時間条件:約2.4kg減
睡眠時間が短い条件では、除脂肪体重の減少が約60%多くなっていました。
ここは非常に重要です。
研究では、カロリー制限中に十分な睡眠を確保することが除脂肪体重の維持に重要である可能性を指摘しています。
■なぜ睡眠不足で脂肪が減りにくくなった?
研究では、その背景を考えるうえで興味深い変化を確認しています。
その一つが、RQ(呼吸商)です。
RQは簡単にいうと、
身体が糖質と脂質のどちらをエネルギーとして利用しているかを見るための指標です。
一般的には、RQが
高くなる:糖質利用の割合が高い
低くなる:脂質利用の割合が高い
と考えます。
今回、5.5時間条件では、空腹時と食後の両方でRQが高くなっていました。
この結果について睡眠不足によって相対的に脂肪の酸化が減少したことと一致すると説明しています。
■空腹感も強くなった
食欲に関係するホルモンである
「アシル化グレリン」
の24時間濃度も、5.5時間条件の終了時に高くなっていました。
グレリンは食欲やエネルギー代謝に関係するホルモンです。
空腹感や食事摂取を促す
エネルギー消費を低下させる
脂肪の保持を促す
などの作用が報告されていることが紹介されています。
睡眠不足によって空腹感が強くなれば、食事量をコントロールすること自体が難しくなる可能性があります。
■安静時代謝量にも違いがあった
研究終了時の安静時代謝量(RMR)は、
8.5時間条件:1505kcal/日
5.5時間条件:1391kcal/日
カロリー制限と睡眠制限を組み合わせた際のエネルギー消費低下に関係した可能性を考察しています。
■まとめ
今回の研究では、短時間睡眠によって、
脂肪の減少量が少なくなる
除脂肪体重の減少量が多くなる
空腹感が強くなる
脂肪利用が低下する方向へ変化する
安静時代謝量が低くなる
ダイエットを考えるうえで、睡眠は決して「余裕があれば整えるもの」ではないと言えます。
食事制限や運動を頑張っているのであれば、一度睡眠を見直してみることをおススメします。
引用文献
Arlet V Nedeltcheva,et al.Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity.
Ann Intern Med. 2010 Oct 5;153(7):435–441.
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