長く寝過ぎも良くない?睡眠時間と血糖値の関係
- 村上 拓斗

- 8月28日
- 読了時間: 4分

睡眠は大切。
これは多くの方が知っていると思います。
では、
長く寝れば寝るほどいいのかというと、今回の研究ではそう単純ではありませんでした。
2026年に掲載された最新研究では、過体重・肥満の成人を対象に、睡眠時間と血糖値やインスリンの働きとの関係が調べられました。
一体、睡眠は何時間寝るのが良いのかについて、最新研究をもとに考えていきます。
是非、最後まで読んでみてください!
■どんな研究?
今回の研究は、これまでの研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。
最終的に、18研究・合計7,715名が対象になりました。
調べられたのは主に睡眠時間と、
血糖値
HbA1c
インスリンの効きやすさ
との関係です。
■寝なさすぎるとどうなる?
今回のレビューでは、6時間未満の短い睡眠を調べた6研究のうち、4研究で糖代謝に悪い方向の変化がみられました。
具体的には、
インスリンが効きにくくなる(感受性低下)
空腹時血糖が高くなる
食後の血糖値が高くなる
といった変化です。
インスリンは、血液中の糖を身体の中に取り込むために大切なホルモンです。
簡単にいうと、
インスリンが効きやすい
→ 血糖値を下げやすい
インスリンが効きにくい
→ 血糖値を下げにくい
というイメージです。
実際、睡眠を約5時間に制限した研究では、わずか4日間でもインスリン感受性が低下しました。
脂肪を溜め込みやすい代謝環境につながるので、要注意です。
■寝すぎはどうなる?
ここが今回の研究の面白いところです。
9時間以上の長い睡眠を調べた4研究でも、すべてで糖代謝に悪い方向の関連がみられました。
そのため、
睡眠時間と糖代謝の関係はU字型
と表現されています。
短すぎる → 悪い
真ん中くらい → 比較的良い
長すぎる → 悪い
という形です。
■ちょうどいい睡眠時間は?
人によって必要な睡眠時間は違いますが、
成人では7〜8時間程度の睡眠が一つの目安として示されています。
そして、もう一つ大切なのが、睡眠の質です。
今回のレビューでは、睡眠の質が悪い人ほど、インスリン抵抗性など代謝に悪い指標と関連している研究がありました。
7時間寝たからOKではなく、
途中で何度も目が覚める
眠りが浅い
という場合は注意が必要です。
ポイントは、
「毎日4〜5時間しか寝ていない」
または、
「毎日かなり長く寝ないとつらい」
という極端な状態が続いていないかを見ることです。
■注意点
今回の研究では、「長く寝ることが直接血糖値を悪くする」と証明されたわけではありません。
長く寝ている人は、
身体活動量が少ない
睡眠の質が悪い
何らかの健康問題がある
といった別の理由がある可能性もあります。
実際、今回含まれた研究の多くは観察研究だったため、
寝すぎたから代謝が悪くなったのか、代謝が悪いから長く寝ているのか
までははっきり分かっていません。
ここは注意が必要です。
■まとめ
睡眠は短すぎても、長すぎても良くない可能性がある
特に短い睡眠では、インスリン感受性の低下が関連
一方、長時間睡眠でも糖代謝が悪い人が多いという関連がみられた
睡眠は、
「短すぎる」でも「長すぎる」でもなく、 極端にならないことが大切というのが、今回の研究から読み取れるポイントです。
ダイエットや健康づくりでは、食事や運動だけではなく、毎日の睡眠時間と睡眠の質にも目を向けることで良い結果へとつながるでしょう。
引用文献
Trudy Abla Sitsofe Accorley,et al.Impact of Sleep on Glucose Metabolism in Individuals With Overweight or Obesity: A Systematic Review.Obesity Reviews. 2026;0:e70216.
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